ある出版社から2005年に自費出版で「数学散歩」を出した。
いくつかのミスプリントとか、文章の出来が悪かったところを直して第2刷を出そうかと思って、出版社に問い合わせたが、印刷費とか用紙代の価格が上がったとかで結構費用がかかることがわかって断念するしかないことがわかった。
1,500円で1,000部出したときに、それが全部売れたとしても著者の取り分が定価の35%とすると、私の投資した額を回収できない。別に利益を得ようと思っているわけではなく、収支がつりあえば、いいと思っていたが、こういう考えはあまいことを知らされた。
いまの計算では全冊がもし売れたとしても、入るお金は525,000円であるが、見積もりでは印刷と用紙にかかる、費用は70万円を越すという。初刷のときは定価が2,500円(税込み2,650円)であったが、これは出版社がつけた価格であり、私は関与していない。相談があったのかもしれないが、覚えてはいない。
現在ではインターネットの時代だから、出版社の書籍を絶版にして、自分のホームページにpdfで出して、無料で閲覧できるようにしたらいいかとも思うが、まず自分のホームページをもっていない。
まだ将来にわたっては自分のホームページをもつことを諦めてはいないが、本当にもつことができるかは疑問である。(註:「数学散歩」はgoogleのサービスで全部ではないが、その一部はいつでも見ることができる。またある期間後には別の箇所が出されているから、長期間そのサイトを覗いていると全貌がわかる仕組みになっている)
電子書籍化して安価に流通させることも考えているが、出版社が乗り気かどうかはわからない。少なくとも300円とか500円のオーダーで流通できるのではないかと思うのであるが、それも版権をもつ出版社が多額の権利金を請求するのかどうか、すんなり認めるかどうかわからない。
すべて、出版社の働いている人々の生活を支えるためであろう。どうしようもない。