物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

微積分学の基本定理

2006-10-28 12:24:49 | 数学

e-Learningのコンテンツをつくろうとしてある本を読んでいたら、微積分学の基本定理がどのように導かれているか気になりだした。その本には結果が出ているだけで導出法は出ていなかった。

それで、まず村上雅人さんの「なるほど微分積分」(海鳴社)を読んでみたら、不定積分からの導出があった。これは不定積分とは言うが定積分で上限を変数にするというやり方で、それを和に置き換えている。しかし、ちょっと論理に気にかかるところがあった。

それでそれにヒントを得て、自分なりの導出法を考えた。それは割りと簡単にできた。さらに、遠山啓先生の「数学入門」下には関数の上限、下限を使った導出がある。

私が昔使った矢野健太郎先生のテキスト「微積分学」ではちゃんと証明がされている。もっとも私はその当時よくわかったかどうか怪しいものである。

数学は論理がしっかりしないといけないので、直観に訴えるやり方は好まれないが、その分直観的には分かり難くなっている。

これらをいつかまとめて置きたい。直観的な段階で納得できる人はそれでいいのだ。それに納得できない人のためにきちんとした数学がある。分かり方にはいろいろな段階があるので、論理でごり押しをする方法は普通の人には必要がない。


2006-10-18 12:32:36 | 健康・病気

夢を明け方に見た。もうかなり以前に亡くなった父と母と何の用事か分からないが、東京に出てホテルか旅館に泊まっていたのだが、父母を置いて所要に出かけ、東京駅に行こうとしているのだが、その行きかたがわからず、なかなか行き着けないという夢である。

震災後か戦後かはわからないが、工事現場のようなところが随所にあり、起伏に富んだところを階段や坂を上がったり、下がったり、最後にエレベーターに乗ろうとしているところで目が覚めた。

また、途中私のすぐ前を歩いていた人が私の出た高校の卒業生であり、私の先生の一人と親しかったということが判明した。私がその先生に対して生前批判的であったことをその卒業生から暗に批判されたという夢である。

後段の部分ははじめてだが、前段の部分については同じような夢を以前にも見たことがあるので、深層心理としての自分の奥底に眠っている何かが夢の中で出てくるのであろう。

現実にあったこととしてはJRの新宿駅で、東口に出ようとしてうろうろしたことがある。東京在住の子どもたちと待ち合わせをしていたので、あわててしまったのだ。それで、東口と書いた方向に行こうとしたのだが、ちょっといったところで誤解を招くような標識があり、うろうろしたのだ。

このときは近道をしようとして迷ったのだが、現実のこの経験が夢に反映しているとは思えない。自分でも意識していない何かがあるのだろうか。


水道方式と大学未修教育

2006-10-14 14:31:46 | 数学

いま友人と数学のe-leraningのコンテンツをつくろうとしている。

これは大学で理工系に入学はしたが、十分に数学の学力がついていない人、高校で数学や物理を十分には習得してこなかった人のためのコンテンツである。はじめは高校程度から大学の2年生までに学ぶ内容を意図している。

それで、とりあえず代数、三角関数、微分積分にまず焦点を当てて、それらの初等的な学習内容を作ろうとしている。

ところで、小学校の算数を中心として有名なのが、水道方式である。これはもともと数の計算をいろいろの型に分けて学習させて、どの型が弱いということを見きわめて、そこを重点的に学習させるシステムである。

水道方式にはいろいろの特徴があるのだろうが、「一般的なものから特殊なもの」へと学習が移行していくところに一番その特徴がある。

昔、材料工学科に所属していたときに、同僚と数学の演習をしたことがあるが、特殊なものが却って難しいということをやはり経験した。それはもうすでに内容を習得してしまった私たちの感じていることとはまったく違ったものであった。

それで、これらの数学の演習問題の出し方をこの「一般から特殊へ」と配列をしなおすことを考えているのだが、もう大学にも入ってしまった学生はどの程度の計算力とかが本当についているのかが問題である。

矢野 寛先生(故人)という年長の知人がいて、彼は高校や中学校での数学の代数計算の水道方式について本を書いている。それを大学生にまで一般化できるものかどうかというのが現在考えていることである。

また、大学教育に限って言えば、大学で使われている工学および物理のテキストを調べて、数学としてどれだけ知れば、十分なのかを本当は調べなければならない。そしてあまりにも余分のことをカットするようにしなければならない。

上に述べたことは、研究者になる人には適用をされない。そういう専門家になる人には事情はまったく別となる。これらの人は学校でたとえ学ばなくとも自分で必要に応じて進んだ数学でもなんでも習得するのが普通である。

(2013.11.1付記) 上記のe-leraningのコンテンツがどうなったか。高校の代数についてはできて愛媛大学で使われている。もっともこれには欠陥があって三角関数のコンテンツがまったくない。つくるつもりであったが、まだできていない。

微分積分についても一部はできたが、全体は完成をしていない。いつも私のやることはこのように中途半端である。

愛媛大学以外の学生には使うことができるようになっていないのは残念である。出来上がった部分に関していえば、主観的には力作である。

特に例題や練習問題におもしろいものを採用したので特徴がある。解答はすべてについてはいないが、大部分に詳しい解答をつけた。