いま友人と数学のe-leraningのコンテンツをつくろうとしている。
これは大学で理工系に入学はしたが、十分に数学の学力がついていない人、高校で数学や物理を十分には習得してこなかった人のためのコンテンツである。はじめは高校程度から大学の2年生までに学ぶ内容を意図している。
それで、とりあえず代数、三角関数、微分積分にまず焦点を当てて、それらの初等的な学習内容を作ろうとしている。
ところで、小学校の算数を中心として有名なのが、水道方式である。これはもともと数の計算をいろいろの型に分けて学習させて、どの型が弱いということを見きわめて、そこを重点的に学習させるシステムである。
水道方式にはいろいろの特徴があるのだろうが、「一般的なものから特殊なもの」へと学習が移行していくところに一番その特徴がある。
昔、材料工学科に所属していたときに、同僚と数学の演習をしたことがあるが、特殊なものが却って難しいということをやはり経験した。それはもうすでに内容を習得してしまった私たちの感じていることとはまったく違ったものであった。
それで、これらの数学の演習問題の出し方をこの「一般から特殊へ」と配列をしなおすことを考えているのだが、もう大学にも入ってしまった学生はどの程度の計算力とかが本当についているのかが問題である。
矢野 寛先生(故人)という年長の知人がいて、彼は高校や中学校での数学の代数計算の水道方式について本を書いている。それを大学生にまで一般化できるものかどうかというのが現在考えていることである。
また、大学教育に限って言えば、大学で使われている工学および物理のテキストを調べて、数学としてどれだけ知れば、十分なのかを本当は調べなければならない。そしてあまりにも余分のことをカットするようにしなければならない。
上に述べたことは、研究者になる人には適用をされない。そういう専門家になる人には事情はまったく別となる。これらの人は学校でたとえ学ばなくとも自分で必要に応じて進んだ数学でもなんでも習得するのが普通である。
(2013.11.1付記) 上記のe-leraningのコンテンツがどうなったか。高校の代数についてはできて愛媛大学で使われている。もっともこれには欠陥があって三角関数のコンテンツがまったくない。つくるつもりであったが、まだできていない。
微分積分についても一部はできたが、全体は完成をしていない。いつも私のやることはこのように中途半端である。
愛媛大学以外の学生には使うことができるようになっていないのは残念である。出来上がった部分に関していえば、主観的には力作である。
特に例題や練習問題におもしろいものを採用したので特徴がある。解答はすべてについてはいないが、大部分に詳しい解答をつけた。