素粒子論の現象論を昔は専門にしていたのだが、朝永の超多時間理論をきちんと勉強しなかった。
Feynmanグラフの計算をするだけなら、超多時間理論をあまり意識しなくてもよかったように思う。
そのつけがこの頃回ってきてGoldsteinの”Classical Mechanics"の最終章の翻訳がまだ十分にできない。
一応最終章の訳をつけたので、それをいま読み直しているのだが、そこでいままで朝永の超多時間理論をきちんと勉強しなかったことを思い知らされている。
超多時間理論とくりこみ理論とは一応別の理論だが、密接に関係している。これは日本の誇る物理学者、朝永振一郎の業績である。それを十分に勉強しないでいたのだ。
まあ、自分で必要を感じるまでは勉強をしないというのは私のあまりほめられない一つの主義だから仕方がない。さてよくわかるようになるのだろうか。
それで関係する特殊相対論をメラーの相対論の訳本を引っ張り出してきて読み始めたという始末である。
このメラーの本を大学院で成相秀一先生の指導の下で読んだのは、しかしもう40数年前のことである。それ以来この本を開いたことがなかった。英語のメラーのこの書(H大学理論物理学研究所の蔵書)をセミナーの各メンバーに貸してくれてそれを読んだと思う。
いま日本語の訳本を開けてみるとところどころに赤線が引かれていてその箇所をよく理解できなかったことがわかる。いまでも当時と比べてそれほど理解が進んでいる訳とは思えない。しかし、以前よりは今の方が計算力がついていることは確かだ。
さて、こたつの暖かさを楽しみながら、また居眠りをしながらこの本や超多時間理論を勉強してみようか。