立体角と書くとそれは何だという質問がコメントによこされそうである。
図で描くとなんでもないが、このブログは図が全くないので、言葉での説明となる。
円錐を考えてみてほしい。その円錐の頂点が空間のある点にあるとしよう。その点からある空間がその円錐に沿って切り取られていると考えよう。そしてその円錐の先端というか頂点を中心とした半径 r の球を考える。円錐の頂点と球の中心が一致した座標系を考えるのだ。
そのときに仮想的に考えた半径rの球を円錐が切り取るとして、その切り取られた球面上の面積を S とする。
このときその円錐で切り取られた Sを球の半径 r の2乗でわった
S/r^{2}
を立体角というのである。
いまわかりやすいように円錐で半径 r の球面が切り取られるとしたが、これは別に円錐で切り取られるのでなくてもい。四角錐でもよいし、六角錐でもよい。いや別に角錐とか円錐にはこだわる必要はまったくない。
球面上に勝手に閉曲線を描いて、その囲む面積Sを球の半径 r の2乗でわれば、それが球の中心から眺めた立体角なのである。
平面角の場合の弧度法での角の定義は円の円弧の長さ s を円の半径 r でわった
s/r =¥theta
を角度としたのであった。
立体角の場合には球面上の面積 S を球の半径 r の2乗でわっている。このときには面積 S は2次元の量だから、球の半径の2乗でわれば、
S/r^{2}
が無次元の量となる。同様に平面角の場合も
s/r
は長さ s を長さ r でわっているから s/r も無次元の量となっている。
ここまで書けば、どんな頭の鈍な人でもわかるだろう。というか、こういう考えに至ってようやく立体角の意味を私自身がわかったのである。
こういう風に教えてもらったら、いくら私が鈍な頭の持ち主であるにしてもわかったはずである。
ちなみに私は人にこういう風に立体角について誰からも教えてもらったわけではない。これは自分で自然に思いついたことである。
(注)球の中心から見て四方八方は立体角としていくらかといえば、球の表面積は4 \pi r^{2}であるので、これを r^{2}でわれば、もちろん4 \piとなる。
これは平面角での全角が(2 \pi r) / r= 2 \piとなることと対応している。