物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

数学・物理通信13巻3号の発行日

2023-06-30 11:15:54 | 物理学
ようやく発行日がきた。

もう一度自分の原稿だけ見直した後で、午後には発行する。今号はかなり苦戦した。これは自分の原稿に関してである。なかなかなにを書くかを決められなかったこともあるが、それだけではない。

それでも査読者の方が優れた方で私のミスも鋭く指摘してもらったので、大いに助かった。こういう方の存在はありがたい。

4号への投稿もすでに2つある。私のノートができれば、4号もできるだけ早く出したい。こちらはついに7月にずれこんでしまった。

宿題をでっちあげて送ったが、

2023-06-29 17:46:20 | 外国語
宿題をでっちあげて送ったが、それが採用されて今日のドイツ語クラスで皆さんのお目にかかるかどうかはわからない。

急いで書いた、でっち上げである。どうもこういうことは下手である。それでも余りに宿題をしないのはいくら厚顔無恥な私でもちょっと先生に悪いという感覚はもっている。

最近は知らないドイツ語の単語を見たときにできるだけ辞書を引くようにしている。いつかも言ったように私のドイツ語の語彙は3000語は越えたとは思うが、4000語には達していないだろうと思う。

もっとも最近は語彙を増やそうとしている。語彙もいろいろである。聞いてわかる語彙がいくらかと読んでわかる語彙がいくらかとは同じではない。

聞いてわかる語彙は2000語もあるだろうか。いま4000語というのはもちろん読んでわかる語彙という意味である。しかし、本当のところは5000語を越えないとドイツ語検定の準1級はパスしないだろう。準1級のつぎはもちろん1級しか残っていないが、これはこの年令の私などには無理な相談だろう。

残念ながら、まだ私は2級しかとっていない。2級は75点か74点くらい
の得点だったろう。このときに3級の試験も受けたのだが、さすがに3級は90点代だったと思う。もう5年以上前のことになる。

受ける検定試験の級が一つ上がるごとに私の得点が20点くらい下がると仮定すれば、いま私が準一級の検定を受ければ、55点くらいになり、これだと65点が合格点だとすれば、やはり10点くらい足りないことになる。

どうやってこの10点のギャップを埋めていくかという問題が残っている。

有名なHeisenbergのところに長年おられた、物理学者 Y さんのご子息でミュンヘンで育った方がおられ、その方はもちろん楽々と1級の検定を通ったとそのYさんからメールで伺ったことがある。

そのご子息はドイツ人よりもドイツ語が上手だと言われたとか。そして、1級の検定を取った後で検定制度のご褒美で数か月ドイツに行かせて、もらったとも聞いた。

もっとも10年近くか、それ以上、ドイツで教育を受けた方だから当然のことでもあろうか。日本人にもこういう人もおられるということである。外国語に堪能な方も上をみればやはり限りがない。


今日は書くことがない

2023-06-29 16:07:27 | 物理学
大体毎日何かを書いているのだが、今日は書くことがない。「数学・物理通信」13巻4号の原稿を入力を昨日から始めたが、今日は1行も入力していない。

もし始めたらドイツ語のクラスの宿題ができないからだが、まだ宿題ができるかどうかもわからない。

字体を昨日から大きくした。これは老眼で小さな字は見るのが難しくなっているからだ。

それでもだんだん義理がわるくなっているので今日は宿題をやったほうがいいとは思っているのだが。

遠山啓と武谷三男、その後

2023-06-28 12:12:27 | 数学
遠山啓と武谷三男の両者の著作目録を作成したのは日本人では私だけであろう。武谷三男の著作目録とか業績リストは「素粒子論研究」電子版に出ている。

一方、遠山啓の著作目録は私の発行している「数学・物理通信」の11巻号外号(2021.12.24)に掲載している。ある数学教育史家の方の強力な協力を得てこの改訂版を出そうとしている。

ところが、アマゾンコムで遠山啓で検索すると新しい文庫版とか新書版が出ているのだ。武谷三男の方は調べていないからわからないが、遠山さんほどには著書(これはいずれも旧著ではあるが)が、どんどん文庫等で出される著者はあまりいないのではないか。

武谷は生前まったく教科書風のテクストを書かなかったわけではないが、一般にテクスト風の著書を書くのを嫌ったという風に思われる。しかし、岩波講座「現代物理学」の「原子炉」は小冊子ながら、名著だといわれている。

数学者の道を捨てて、数学教育者としての道をある時点で選択した遠山にはテクスト風の著書も多い。そのためだろうか。没後45年にもなろうかという方とは思われない。しかし、どこにその違いが生じる原因があるのだろうか。

私はどちらの方も好きで二人の著作目録をつくったりしている。元物理屋の私としては自分自身への影響として武谷三男の方が大きいかと思われるが、どうもそうとばかりは言うことができなさそうでもある。

(2023.11.26付記)
「遠山啓博士の著作目録」改訂版を数学・物理通信13巻号外号に掲載した。インターネットでも読むことができるはずだ。それに雑誌「数学セミナー」で桃子のお知らせが12月号には載っているはずである。まだ私は12月号を見ていないのだが。

「数学・物理通信」13巻3号の発行へ

2023-06-28 11:20:46 | 本と雑誌
「数学・物理通信」13巻3号の発行がようやくできそうになった。昨日完成したといっていいのだが、30日に発行の予定である。これはわざと数日手元においておくという慣習にしたがっているからである。

つぎにこれはもう6月中には発行ができないので7月にずれこむが、13巻4号の編集にとりかかりたいと思っている。二つほどすでに投稿原稿はある。それに私が昨日一昨日に書いた「cos xとsin xの値の求め方」のlatex入力ができれば、原稿はおよそ整うことになる。

それから今年中は数学・物理通信を休刊したいと思っているので、そのお知らせも書く必要がある。場合によっては休刊期間は長引くかもしれない。しかしできるだけ来年の3月には14巻の発行をしたいと思っている。



cos 15º, sin 15ºの求め方

2023-06-28 10:51:22 | 本と雑誌
cos 15º, sin 15ºの求め方は少なくとも二つはある。

一つは半角の公式で15ºのsin と cosとを30ºのサインとコサインから求める方法である。

または加法定理を使って、45ºと30ºの角度の差15ºの値を求めてもよい。ところがこの二つの求め方の値が見掛け上で異なっている。一つは二重根号で表されるが、一方はそうではない。

あわてて二つの値が同じことを確かめたが、私は高校で学んだことのある二重根号の外し方を忘れてしまっていた。それで今朝早くそれを高校数学の学習書で復習をした。この学習書は高橋一雄『語りかける高校数学』数 I 編(ベレ出版)である。

空中浮揚

2023-06-27 13:03:01 | 物理学
朔日念力を取りあげたから空中浮揚も取りあげておこう。空中浮揚ということができる教祖様ということでオウム真理教の教祖、麻原さんが注目を浴びたことがある。

本人が飛び上がった写真を撮って宣伝し、超能力があるとして人をひきつけて話題になったのだが、もちろんまやかしである。

もしそれがいつでもできるのならば、車など必要がないのだが、実際には本人が使っていた車はドイツの高級車ベンツ(ドイツではメルツェ―デスという)であった。これなども瞬間的に空中に飛び上がるのは訓練するとできるようになるのだろう。

しかし、それでふらふらと雲が空を飛ぶようにどこへでも飛んでいけるかというとそういうことはできない。そういうことは将来には空飛ぶタクシーで実現できるかもしれないが、それは物質的な基盤がある技術である。

もし空中浮揚ができるのならば、それで生産的な仕事をしてほしいということである。そういうことはできないものは、世間では存在しない、またはできないとしても仕方がないではないか、というのが哲学の立場であろう。

しかし、そういう単純な話を聞く機会さえほとんどないから理系の人でも惑わされてしまう。

念力

2023-06-26 09:19:38 | 物理学
念力と称する力が存在すると主張する人がいたりする。この場合にこの念力を存在しないなどと論理で論破するのは難しい。

しかし、これは哲学をする人の間ではよく知られたことかもしれないが、実践というレベルでその存在を考えると物事がよくわかる。

これはもし念力が存在するのならば、その念力とかで電動モーターを動かして物を生産すればいい。念力とやらで常時電動モーターを動かしてエネルギー不要の工場をつくってものを生産すればよい。

ところが念力の存在を主張する人にはそういうことができないのである。そういう観点から考えるとやはり念力の存在は眉唾である。というか存在しない。存在するかしないかの基準はそういう実践的な基準をクリアしない限り多くの人々の了解は得られない。

天然ガスとか石油とかそれをを使って発電された電力だとかが物質的な基盤が実は必要なのである。そういうことを教えてくれたのは物理学者の武谷三男であり、この観点は『物理学入門』上(岩波新書)に書かれていた。

ところがこういう簡単なことを書いた本を私は他のところではみたことがない。


数学・物理通信の休刊?

2023-06-22 13:48:37 | 物理学
昨晩急に思付いたことだが、ここ10年以上3の倍数の月に発行してきた数学・物理通信を休刊するという考えが起こってきた。

これは私にも突然の考えなのだが、今年の9月から12月まで数学・物理通信を休刊するという考えである。もちろん私自身は他に何もしないのではなく、しなくてはいけない仕事を優先してするために、やむなく数学・物理通信を休刊するということであり、喜んで休刊したいということではない。

それとこれはあくまでも休刊であり終刊ではない。最近100年ほど続いてきた朝日新聞社の「週刊朝日」が終刊になった。こういうことはありうるのだが、私の場合はあくまで一時的な休刊のつもりである。

もっとも一時的な休刊のつもりが終刊につながるかもしれないが、もしそうであるならば、それはそれで仕方がないと考えている。


アインシュタイン

2023-06-21 10:17:22 | 物理学
これは2001年度に私がE大学で行った講義「原子物理学入門」(共通基礎教育)の一部に書いたアインシュタインのスケッチである。すでに「ドイツ語圏世界の科学者」でアインシュタインについては述べたが、それとは少し違う側面を述べているかもしれない。

Einstein (1879-1955)について少し述べておこう。Einstein はユダヤ系のドイツ人で、南ドイツの都市ウルムで生まれた(その後、スイスの市民権を取り、死亡するまでそれを保持した)。

小さい頃から数学と物理学に興味をもっていた。ドイツのギムナジウムの軍隊的な規律を嫌い、ギムナジウムを中退してチュリッヒ工科大学(ETH)を受験したが、試験に失敗してしまう。しかし、数学や物理は抜群の成績であったのでもう一度ギムナジウムに入って勉強し直すことを大学の学長からすすめられ、スイスのギムナジウムに入り直し、そこを卒業してチュリッヒ工科大学に入学する。

大学の頃はあまり講義に出席せず、自分の独自な勉強に精出した。試験のときは学友のGrossmannからノートを借りて勉強して単位を取った。大学卒業後は大学での助手の職は得られず、ベルンの特許局で特許技師として働きながら、、立派な業績をあげる。

それが1905年の3つの論文で、光量子仮説、ブラウン運動、特殊相対性理論である。光量子仮説は光が粒子性をもつことを示した光電効果の説明を与えたものであり、ブラウン運動は分子の存在と分子の熱運動を実験的に証明可能とした。特殊相対性理論は時間と空間の概念の変革を行ったものであり、この理論から質量とエネルギーの相互転換が可能であることが示された。

1915年には特殊相対性理論を一般化した一般相対性理論を発表する。この一般相対性理論は重力を空間の性質として説明する理論である。その中の一つの予言である、重力場中での光の偏曲は第一次大戦後の皆既日食の際に観測され、一般相対性理論の実験的検証の一つが得られた。その他、量子理論への貢献も大きい。

1932年以来アメリカに居住し、プリンストンの高級研究所で研究生活を送りながら、統一場理論を研究した。この理論は重力と電磁場を空間の性質として説明しようとするものであったが、成功していない。

一方、EinsteinはRoosevelt大統領に原爆研究を始めることを進言した手紙を送ったが、第2次世界大戦終了直前に広島と長崎に原爆が投下されたことは、彼には思いもよらないことで、その責任を深く感じることとなった。

核戦争を避けるための努力を訴えたRussel-Einstein声明は世界各国の著名な科学者11名によって署名され、各国の科学者が一堂に集まって核戦争と核兵器の廃絶を議論するパグウォッシュ会議のけきっかけとなった。

変換と逆変換が同じ形の変換

2023-06-20 11:46:53 | 数学
昨日はブログを書く時間がなかった。最近はブログよりも優先されるべき事柄があったりする。

18年以上ブログを書いているとこういうこともあるのだ。今日も忙しいのだが、今日はブログを優先した。

最近はメールを書くことが多くなっている。それで時間がとられていたりする。

またレーザープリンタのトナー切れだのになかなかトナーの注文をする気になれないでいる。そのために普通なら、プリントして読む文書を手書きで書き写して読むものだからこのために時間を取られている。

時代がかった話だが、これが今私に起こっている状況である。一方で数学・物理通信の13巻3号の原稿を完全に仕上げなくてはいけないのだが、それに時間がだいぶんとられる。

これは私の書いたノートに査読者が意見を下さってその意見を入れる必要があるのだが、そのための原稿の修正が必要になっている。

査読者のSさんは優秀な方なので、私のあまり正しくはないノートを解読して修正の意見をくれたのである。

それにしても、Sさんのコメントによって不思議な変数変換があることにようやく気がついた。これは元の変換と逆変換が同じ形になる変換である。Sさんは何も注意されてはいないのだが、このことを先刻ご存じであったにちがいない。

よくは覚えていないのだが、こういう変数変換があることは以前にも経験したことがあったような気がしている。

技術の継承

2023-06-17 11:50:09 | 科学・技術
Epsonのレーザープリンターを永年使ってきたが、今年の2月に3代目のレーザープリンターのトナーが切れたので注文したら、もう製造中止になっているとして仕方なくbortherのレーザープリンターを購入した。

ところが2月に購入したのに6月の現在すでにトナーがなくなった。どういう風にトナーを交換するのかのマニュアルもついていないし、どうももう十年くらいかもっと私が使い始めた初代のEpsonのレーザープリンターを買ったころの設計仕様のようであり、私には技術の退化としか思えない。

メーカーがちがうのだから設計がちがうのは仕方がないとしてもどうもEpsonが開発して進んできた、その技術の成果は受け継がれていないようだ。日本の企業としてのそういう技術の継承は大切なことだと思えるのだが。

最近はEpsonのレーザープリンターは使い勝手のいいレーザープリンターとなっていたのに残念である。それで新しいトナーをなかなか注文する気にならない。

トナーでレーザープリンターの販売の利益を上げようとしているとかしか思えない。borotherのこのやり方には不満である。

もっともborotherのこのレーザープリンターのいいところもある。それはコピー紙の裏表にプリントをしてくれるところだ。もっとも書類を一覧したいときにはなかなか面倒な感じがするのは否めないのだが。




「数学・物理通信」13巻3号の編集

2023-06-16 13:36:50 | 数学
「数学・物理通信」13巻3号の編集をしている。

私自身の投稿をしないですまそうかと思ったのだが、やはり30ページにはまだ数ページたらなかったので昔の論文の付録に書いたことを急遽latex入力した。それでほかの投稿原稿の編集がおくれた。

全部の原稿をきちんと見ているわけではないが、およその検討はした。細かな言葉遣いは修正をするかもしれないが、大きなところの修正はないだろう。

それで、1週間後くらいには発行できそうな雰囲気に気になっている。しかし、なかなか編集は疲れる。

6月中か7月にかかるかはわからないが、引き続いて13巻4号も発行するつもりである。

Spence関数

2023-06-14 16:41:04 | 物理学
なかなか踏み出せなかったが、「数学・物理通信」13巻3号の原稿を書き始めた。というか以前に大学の紀要に前に書いていた付録の部分の入力である。

Spence関数というテーマである。この関数はさきほど岩波の『数学公式』IIIの特殊関数に出ていないか調べたが、出ていないようである。

以前にFeynmanグラフの運動量ル-プ積分をしていたことがあるが、そのときにPTP suppl.のno.73の付録に載っていた関係式の導出をしたことがあり、それを1987年の愛媛大学工学部の紀要の付録に書いていた。

いつかもっと多くの方々の眼に触れるところに掲載しておきたいと考えていた。
それを今回試みるつもりである。