「政権交代があるのではないか」とは新聞がこのところ書いていたところだが、本当にこれが起こるような票が多量に出るとは思わなかった。これは、しかしそれくらいどうも世の中は閉塞感に満ちていることを示しているのであろう。
「どうしたら、生活がよくなるのかの処方箋は誰にもないようだが、新しい政権をちょっと任せてみたい。もう今までの惰性はあきあきだ」というのが国民の声なのだ。
アメリカのブッシュからオバマに大統領が変わったことも間接的に日本にも影響を与えているかもしれない。あれほどかたくなで国際協調を嫌ったアメリカの百八十度の転換であった。
日本では60年以上も自民党政権が続いてきた。それが簡単に変わるものかという気持ちも一方ではあったが、ものの見事にひっくりかえってしまった。これはすべて一票の積み重ねではあるが、すごいものである。
人々は民主党がいい政治をすぐに展開できるとはどうも考えてはいないらしい。だが、現在では新しい勢力に政治を任せてみたいという気持ちであろう。どこか新しい政策がでてくるのではないか。そうだとするといままでの政策についての先入観が打破されるということで、これから行き詰ったら、いつでも再シャッフルすればよいということであろう。
そういうことの経験をもったということだけは少なくともすばらしいのであろう。それ以上を期待することは過剰な期待かもしれない。
私が生きている間に政権交代が起こるという慣行が定着するかどうかはわからない。が、しかし、そういう慣行が定着するというスタートにやっとついた。