昨夜のテレビで二つのことを聞いた。一つはNHK教育放送の佐々木毅さんの「鳩山政権の意味」で全部を見たわけではないが、鳩山政権はそれまでの自民党政権がお金がたくさんあったときの配分をしていたのを国の財政が苦しくなってそういうことができなくったので、政治主導で予算の配分を合理的にしようという主張の政権であるというようなことだった。
官僚主導から政治主導へと変わったということを政治思想家はそういう風に捉えているのかと興味深く思った。
もう一つは深夜の放送で多分「プロフェッショナルの条件」の再放送なのだと思うが、農業経営者の木内博一(?)さんが出ていて、彼の言うことが興味深かった。それは農業は自然を相手なので予期しないことばかりである。うまく農産物が成長して予期どおり利益を上げるということは難しいという。
だが、彼らは90人ほどのチームを組んでいて、ある農家の生産物がたとえうまく生産ができなくても、全体でみればなんとか利益を上げることができるようになっているという。
約90軒の農家がある地域に広がっていれば、農産物の生産のようなある種の自然の状況で影響を受けることもその全体の危険性も減らして、全体では利益を定常的に上げることができるという。
金融危機のときに投資家は自分の全財産を失ってしまった人も多いかもしれない。しかし、一般に専門の投資家はある少数の企業に集中的には投資をしないものだと聞いている。それはその企業がもし経営が悪くなれば、利益を挙げることができなくなるから、危険を分散するように多数の企業に分けて、投資するのが普通だという。これは統計効果であろう。
多分、資本系統も分散させているだろうし、業種も分散させているだろうし、また国も分散させているだろう。そうでないとある企業の経営悪化が自分の利益を大幅に減少させてしまい会社とか自分の破産へと導いてしまう。
金融危機の場合にはさすがにそういう分散効果もあるいはあまり有効ではなかったかもしれないが、専門の投資家はそういう投資の分散化は常識らしい。そういう常識を木内さんが知っていたかどうか。だが、彼は現在そういう分散効果を身をもって知っているということであろう。
昨日は一日、徳島科学史雑誌のもう一つの原稿「対数とは何か」を書いていた。正確にいうと以前の原稿の一部を書き換えていたのだ。それは対数の性質のところである。前の内容が間違っていた訳ではない。だが、対数の性質をただ単に以前から知っている指数の性質の帰着させるという記述だった。それを指数の性質から出発して対数の性質を導くという風に書き換えたのだ。
「できるだけ発見法的に命題を述べたい」というのが私の望みなのである。
これはインターネットで高校の数学の教科書をつくって提供しているサイトで見たので、それに見習ったのである。ただし、このテキストでは指数法則から、その法則の対数をとるという処理をして対数の性質を導いている。私の方はあからさまには対数をとるという言い方をしなかった。
いままで、気にせずに使っていた「対数をとる」ということは何を意味しているのだろう。