3次元のラプラス演算子の極座標表示するときには、2次元の極座標表示を円柱座標を経由して行うのがいい、というのが中西襄先生から教わったことの一つだ(注1)。
だが、小著『数学散歩』(国土社)でのやり方みたいな方法で直交座標からの3次元の極座標への変換をしている本を見つけた。
これは村上雅人さんの『なるほど量子力学』II (海鳴社)である(注2)。この本の第9章 「極座標のラプラシアン」に書かれている。このために15ページを使っている。
私も『数学散歩』で7ページほどを使って示したが、いまからみるとどうもあまり親切な導出ではなかった。
その後、「数学・物理通信」8巻6号にもっと整理された形で12ページを使って書いた。これは整理されたものであり、これを使えば少なくとも2日ほどでこの面倒な変換を導くことができたと思う。
学生のころに馬鹿正直な方法で計算をしてみたが、計算が下手な私は1週間ほど毎晩これに取り組んでみたが、結局最後まで正しい結果を得ることができなった記憶がある。
再度、数年前に係数を文字で置き換えた方法での同じ計算を「数学・物理通信」8巻6号(pp. 16-27)に載せたが(注3)、その計算を村上さんのやり方にもしたがって繰り返してみたいといま考えている。
(注1)この方法を学ぶのには中西先生の『微分方程式』(丸善)で学ぶのが一番わかりやすい。
(注2)村上雅人『なるほど量子力学』II (海鳴社)は海鳴社社長の辻さんのご厚意で頂いた。
(注3)「数学・物理通信」はインターネット検索すれば、すぐに名古屋大学の谷村先生のサイトに行き当たるから、いつでも読むことができる。