中学校数学の程度の話だと思うが、「グラフの平行移動」という題の数学エッセイをほぼ完成した。もっとも読み直していると、また手を入れたくなって少しづつ書き直しているが、でもほぼ完成に近い。
昨日はこのエッセイを完成したつもりだったが、あまり難しいテーマではないので、妻にしろうととしての意見を聞こうと思って、印刷したものを家にもって帰った。まだ読んでもらってはいないが、昨夜寝る前にまた読み返していたらまた赤ペンを入れてしまった。
こうして一応出来上がったものを読み直していると、またいろいろ思いついたり、思い出したりすることがある。そういうことをまったく思いつかなくなったら、完成である。つぎからつぎへと細かなことに過ぎないが、いろいろ思いつくのでなかなか脱稿とはならない。
それでも私という人間の力の及ぶところにはどこか限りがあり、もう新しい付加事項とかを思いつかなくなる時点というのがあるようだ。
(2013.4.11付記) 「グラフの平行移動」という表題のエッセイは愛数協の機関誌「研究と実践」第103号(2009.12)に発表した。このエッセイを一般の人が読むことはできないので以下にその一番肝心のことを記す。
いろいろこのエッセイに書いてあるが、y=f(x)のグラフのx軸の正の方向の平行移動したグラフはy=f(x-a)と表されるが、これはどうしてか。これが主題である。
要点はつぎのようである。
x=x_{0}のときにy=f(x_{0})であるが、f(x-a)=f(x_{0})であるためには、x-a=x_{0}でなければならない。すなわち、x=x_{0}+aであるので、確かにx_{0}からaだけ正の方向(すなわち右に)平行移動している。だから、ちゃんとy=f(x-a)はy=f(x)のx軸の正の方向の平行移動になっている。
こういう説明は中学校の数学の先生が一度はされたと思うが、一度聞いただけでは私には定着しなかったと思う。それがようやく中学校の卒業後60年以上かかって納得したというお粗末である。