最近聞いた本当にあった話である。
その人は輸血をして肝炎にかかった。よくはこの肝炎の種類を知らないが、C型肝炎というのであろうか。
ところが昔だったのであまりはかばかしい医療法がその当時なかったために、民間療法としての気功療法にたよったらしい。
気功の専門家がその人の体に向けて手のひらを広げて気を送り、その人の肝炎を治すという動作をくりかえす。
その治療を施してもらってもなかなかはかばかしく肝炎がなおったわけではなかった。あるとき治療にいったとき、その人の体ではなく、人形のようなものに同じ動作をくりかえされたという。
そして、これでも同じようにきくはずだといわれた。その人はさすがに心配になって、輸血で肝炎になったのだから、医療でそのころはじまった、インターフェロンによる治療に切り替えたいと申し出た。
そしたら、気功治療の専門家はとても怒ってしまったが、それがその気功治療者との別れになった。
その後、病院でインターフェロンの治療を受けてその人の肝炎は完治して今も元気でいる。
気功の治療者の手の指から何かの気が出て、少しは肝炎がよくなったかどうかは聞き損ねたが、気休めぐらいであったろう。
気持ちからくる病気も全くないわけではないから、治ったという症例はあるのかもしれないが、治った症例が少数あってもそれでは医学としては十分ではなかろう。
100%完治するなどということはなくてもある割合で病気が治癒しないことにはその治療法を信用はできない。
話をしてくれた、その人も治癒する可能性は30%ということだったらしいが、幸いなことにその30%の中に入った。