「体系数学」という名の本が少なくとも2種類出ている。体系数学という名を知ったのは「大学の物理教育」という物理学会の雑誌の最近号の編集後記に編集者が書いていたからである。
数研出版の書籍で、検定外教科書として、中高一貫教育の私立学校とかの教科書として使われているということらしい。
インターネットの中では数研出版が自分の出版社の参考書や問題集を売り込むための囲い込みの手法だと悪口をいっている人もいるが、その囲い込みなどは世間では広く行われていることで、特に数研出版だけのことではあるまい。
その内容がよければよいのである。もっとも私などにしてみたら、中高一貫教育であれば、それは大学のレベルとはどういう関係にあるのかとかそういうことが気にかかる。
むしろ学校時代などは人生のうちではほんの一部だから、それをはずれた範囲でものごとを考えてほしい。やはり、少なくとも大学の基礎教育レベルまでを視野に入れた体系数学であってほしい。
もう一つの体系数学はブルバックス(講談社)の書として最近発行された。この内容もまだ本を購入してみていないので、わからないが、体系という名に本当にふさわしいのか見てみたいと思っている。
体系数学とは名をうっていないが、志賀浩二先生の本が中高一貫教育を目指してすでに岩波書店から出されており、これは私も購入してもっている。いくつかの類似のそういう書物が出てくるのはいいことかもしれない。