物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

116回目の雑談会が終了

2021-02-27 16:49:00 | 本と雑誌
先ほど116回目の雑談会が終了した。毎月第4土曜日に自宅で行っている雑談会である。

116回ということは毎年8月を除いてほとんど毎月この雑談会をしているので、これは10年を越えたということである。

なんでも長く続けるということを趣旨してやってきた。長いのが尊いのではないが、やはり続けるのは努力がいる。

これは主催するほうもそうだが、むしろ参加される方々の方にも言えることである。

出席者はほとんど変わらないが、新しく加わった方もおられるので、少しは新陳代謝がある。

申込書

2021-02-27 12:24:57 | 本と雑誌
申込書とはなんでもない日本語である。

しかし、これを英語でどういうかとなると思い出せなかった。そういう場面で覚えた言葉ではなかったからであろう。

言われてみれば、申込書の意味での英語を聞いたことはあったので、再確認ではあったのだが。

さて、問題の申込書だが、apllication formと言うという。これはボキャブライダーで得た知識である。

さて、じゃあドイツ語ではどういうのだろうか。即答できないが、Antragと言ったのではないかと思う。応募するならsich bewerbenという動詞を使うように思うが、辞書で確かめないといけない。

なかなかこういう語は外国の大学で奨学金をもらって例えば留学をしようとすると必ず必要な手続きになる。いまちょっと独和辞典を引いてみたら、提案とか動議の意味のつぎに申請とか申請書の意味がder Antragにはあった。

ドイツ語のBewerbungsschreibenに「申込書、願書」の訳がある。しかし、こういう難しい言葉は使ったことがない。


新しいニュートリノか

2021-02-26 11:24:12 | 物理学
新しい型のニュートリノを探す実験が計画されていると新聞で読んだ。

どういう意味かはじめわからなかったのだが、現在までに知られているelectron-neutrino, muon-neutrino, tau-neutorinoに加えて4つ目のニュートリノを探す話だとわかった。

名前が先行しているのだが、sterile-neutrinoとでもいうらしい。私などはもうニュートリノというか、レプトンは3世代で終わりかと勝手に思っていたのだが、宇宙論の未解決問題dark matterの正体の解明には4世代目のニュートリノがほしいらしい(注)。

(注)レプトンは電磁的相互作用と弱い相互作用と重力相互作用しかしない。

(e, \nu _{e}), (\mu , \nu _{\mu}), (\tau, \nu _{\tau})の3世代の存在が知られている。記号がわかり難いが、電子、電子ニュートリノが一つのペアで、第1世代と言われる。ミューオン、ミューオンニュートリノがもう一つのペアで第2世代である。最後がタウオン、タウニュートリノのペアでこれが第3世代である。

これらに対応したクォークと呼ばれる強い相互作用もするペアの粒子があり、これらは(u, d), (c, s), (t, b)の6個のクォ―クの存在が知られている。これは小林ー益川両氏の予言によるものであったが、実験的に確かめられて小林ー益川氏がノーベル賞を受賞した。

3月が近づいて来た

2021-02-26 10:43:00 | 物理学
3月が近づいて来た。これは春が近づいて来たと言い換えてもよい。

だから、春は花が咲き始めいい季節である。もっとも私には花粉症の季節であり、悩ましい。

先日、花粉症の話からつい踏み外して、ハイゼンベルクの量子力学の始まりの話に及んでしまった。

ハイゼンベルクがHeyfeverから逃れて行ったヘルゴランド島は岩だらけの花が咲くような島ではないので、花粉症の人には逃避するのは最適の島である。

残念ながらこの島にはもちろん行ったことはないが、いつかNHKのドイツ語講座のテレビで見たところでは海岸の岸壁が赤いのが印象的な島であった。

はじめに「3月が近づいて来た」と書いたときに私の述べたかったことは花が咲くでもなく、花粉症に苦しむでもなく、実は「数学・物理通信」11巻1号以下の号の発行をしなけならない月だということを言いたかった。

「数学・物理通信」は10巻8号で私の記憶に間違いがなければ、通巻95号まで発行している。あと5号で通巻100号が達成される。

メール配布の「数学・物理通信」は有料配布の雑誌ではないし、普通の人には無縁のいわゆる個人発行の雑誌である。同人誌と言ってもよいが、同人を募集したことはない。

名古屋大学の谷村さんのご尽力で彼のサイトにバックナンバーはすべて掲載されている。改めて、谷村さんのご尽力に感謝申し上げたい。




ダブル・バインド

2021-02-25 12:49:34 | 本と雑誌
ダブル・バインドという英語が本当にあるのか知らない。

日本語に直せば、二重束縛であろう。

この言葉でちょっと政治的な状況を説明したい。

菅首相は官房長官時代に各省の幹部の官僚が自分の意見と合わないとどしどし配置転換させるという強硬手段をとったと言われている。

そういう処置が普通であることを知っている総務省の幹部官僚は首相の長男が役員を務めている会社との会合にはほとんど必ず出席せざるを得なかったであろう。

そしてその出席をした結果として文春の暴露によって東北新社への利益誘導的な会話があったとわかって、総務省の幹部官僚のかなり数が行政罰を受けることになった。

こういうのはダブルバインドでなくて何であろうか。

従うも悪く、従わざるも悪いとは。

もずーある反戦歌

2021-02-25 12:12:32 | 本と雑誌
本当のタイトルを知らないが、私が「もず」と呼んでいる古い反戦歌をここに紹介しておこう。

歌詞も正確には知らない。聞いて覚えた歌なので歌詞がまちがっているかもしれないが、インターネットにでも歌詞が載っていれば、修正の機会はあるだろう。

もずが枯れ木で鳴いている。
おいらは藁をたたいてる。
糸引き車はおばあさん
コットン水車も回ってる

みんな去年と同じだよ
けどもたんねい(たりない)ものがある
あん(兄)さの薪割る音がねェ
バッサリ薪割る音がねェ

あんさは満洲へ行っただよ
鉄砲が涙で光っただ
もずよ、寒いと鳴くがよい
あんさはもっと寒いだろ

この歌は大学の研究室で一緒だった I 君(同郷)が歌っていたので、聞いて覚えた歌である。

今朝、夢うつつでいる状態で、この歌詞がどうしたものか浮かんできた。それもすべてが一緒ではない。ある箇所が突然頭に浮かんできたのだ。

それを何回か頭の中で反復しているうちに欠けた部分が埋まってくるという不思議なことが起こった。

朝食の準備をしながら、歌ってみたが、どうも頼りない声しかでて来なかった。

想像するに、どこかの北日本のある地方の農家かの一家の男が徴兵で満洲(今の中国東北部)の軍隊に行ってしまった状況を、その弟が歌っているという想定であろう。一度インターネットで検索をしてみたいと思う。

この歌を思うとき、フランスのシャンソンAu temps de cerieseを思い出す。この「サクランボの実るころ」とでも訳せるこのシャンソンも単なる若い男女の恋の歌であるだけではなく、反戦歌であるということを聞いている。


今日もブログが遅くなった

2021-02-24 13:21:27 | 本と雑誌
今日もブログが遅くなった。いつもお昼前にはブログを書くことにしているのだが、今日は松山市の定期健康診断を受けに生協病院に出かけたので、お昼過ぎに書いている。

毎年、2月か3月に松山市の定期健康診断を生協病院でするのがここ数年のならいとなっている。

生協病院は来住(きし)町にある病院である。数年前に新しい病棟が建築されて以前よりも病院全体が広くなった。それに車の駐車場もけっこう広いので、来るのが来やすい。

それで、採血とか尿の検査とか腹部エコーと胸部レントゲン撮影等があり、その後、内科の先生の検診を受けた。検査結果は後日説明がある。

また、明日はこれは松山赤十字病院での定期健診がある。これは昨年のこの時期に明日の期日指定を受けている検査である。

80歳を越すとおおむね体は健康とはいえ、体のどこも無傷とはいかないからである。


地下室

2021-02-23 11:28:09 | 本と雑誌
先日、地下鉄を外国語でどういうかを書いた。

そのときに、地下室はどうだったかなと思ったのだが、ドイツ語でしか地下室の言い方を覚えていなかった。

ところが、今朝NHKの「まいにちフランス語」を聞いていたら、地下室のフランス語がわかった。これはla cave(ラ カーヴ)という。それで英語も同じかなと思ってcaveを引いたら、やはり地下貯蔵室(特にワインの)とあった。もっとも英語では発音はケイヴであろう。私などはケーヴと聞くと地下室よりも洞窟だと思ってしまいそうだ。

ドイツ語では地下室はder Kellerである。男性名詞である。もちろん、ワインやビールをここに貯蔵している人もある。いわゆる集合住宅ではこの地下室に洗濯機や洗濯物の乾燥室をもっていたりもする。

Ratskellerは市役所の地下にあるレストランで、そこで食事をしたり、ビールを飲んだりすることができる。そのようなRatskellerの一つである、BremenのRatskellerで仲間の方々と昼食をとりながら、ビールを飲んだことがある。

このRathausの前には有名な騎士ローラントの像とか、グリム童話のお話の動物の像もある。ロバ、犬、猫、鶏であったろうか。

(2021.2.27付記)  パリの凱旋門へは地下道で行けるのだが、はじめどうやってそこへいったらよいかわからなかったので聞いたら、souterrainを通って行けと言われた。それで地下道があるのだとわかった。

もう一つ、凱旋門のところで元軍人か誰らかが整列してなにか儀式をしていた。それであれは誰だと聞いたのだが、その答えの説明がわからなかった。重ねて聞いたら、veilles hommesだと答えれられた。「老人たちだよ」とでもいうつもりだったのだろう。



「仕事は忙しい人に頼め」

2021-02-23 10:51:21 | 本と雑誌
「仕事は忙しい人に頼め」ということはどうも事実であるらしい。

要するに、忙しくしている人は何にでも意欲のある人なのであろう。忙しくしていない人は意欲を持っていない人なのであろうか。

この辺ははっきりとは言えないが、「仕事は忙しい人に頼め」ということだけは間違っていないことだと思う。

こういうことを書いてあるのを読んだのは、ある物性のテクストの序文であったかと思う。物性のテクストと言っても量子力学的色彩の濃い、書であった。

「なるほどな」と変な感心をした。暇を持て余している人に物事を頼んでもだいたい頼んだ用事の処理をしてくれなかったりする。

用事をしないのは、しない理由があるということだろうか。だから用事をしないから、けしからんとはいうことができない。

花粉症

2021-02-22 12:10:31 | 物理学
私も典型的な花粉症である。

毎年2月10日前後から鼻がぐずぐずして鼻汁がとても出る。今年は早めに行きつけの内科の医師に処方してもらった薬のおかげかそれほどひどくはないとはいうものの。

もっとも今年は暖かい日もあるので、いずれひどい花粉症の症状に悩まされるであろう。

40歳すぎからの花粉症とのつきあいであり、はじめは花粉症という言葉も知らなかったので、風邪にかかったと思っていた。もっとも熱は出ない風邪だが。

hey feverという語がヨーロッパにはあることをそのころ知ったのだが、これが日本での花粉症にあたるとは知らなかった。

物理学者のハイゼンベルクが若いときからアレルギーに悩まされており、1925年の5月にもひどいHeyfeverにかかった。それでついていた先生のボルンに休暇をもらってHelgoland島に逃避の旅行に出かける。

ここで、ハイゼンベルクは量子力学の端緒となるアイディアをつかんで、それをすぐに論文にまとめる。

これを読んだ先生のボルンはそこで使われた数学が奇妙であることに悩むが、それはボルンが若い大学生のとき数学で学んだマトリックスであることに気がつく。

そして、ハイゼンベルクの論文を発展させる論文を学生のヨルダンと論文を書く。その後休暇から帰ってきたハイゼンベルクと3人でいわゆる三者論文 (drei M"annerarbeit) を書く。これが行列力学と呼ばれた、量子力学のはじまりであった。

これは1925年のことである。年が明けて1926年にはド・ブロイの発想に触発されたシュレディンガーの波動力学と呼ばれた、また別の量子力学の論文が発表されることになる。

天才は数学だって必要とあれば創り出す。ハイゼンベルクは行列の算法をそれが数学としてすでにあるということを、知らずに発明したのであった。

ボルンとかシュレディンガーとかは40歳代であったが、他のハイゼンベルク、ヨルダンとか、また行列力学でも波動力学でもない独自の量子力学を発展させたイギリス人の若い学者ディラックもハイゼンベルクの一年先輩の物理学者パウリもみんな20歳代の前半の研究者であった。

それで量子力学はKnabenphysik(少年の物理学)と呼ばれた。ちなみにKnabenは雅語であり、普通の日常生活で話される言葉としてはKnabenという語は使われない。日常での若者という意味のドイツ語はJungeである。

いうならば、Knabenはゲーテの詩に出てくるような語である。




コロナ禍に対して

2021-02-20 17:09:18 | 本と雑誌
コロナ禍に対して感染者の指数関数的な増加とか、または感染者数の振動が起こる恐れを朝日新聞で神里達博さんが昨日だったかに指摘していた。

医療関係者とか理系の識者にはこういう現象が起こることはある程度予想できるが、政治家のような一般人には、これの予想が難しいのではないかということだった。

神里さんの助言は、だからこの時世にきちんとした警句を有効に発することのできる専門家が必要とされるのではないかということだった。

まさにその通りであろう。

いくつかの弱点

2021-02-20 16:44:24 | 数学
いくつかの弱点が私にはあることに気がついた。

ここ半月くらいはフ―リエ解析の弱点の補強をしていたが、複素解析の積分もあまりきちんと身についてはいない。

留数定理をその時々で複素解析の本を見て使うことはできるが、本なしには計算できないことに気づいた。

これは昔のことだが、朝永の『量子力学 I』(みすず書房)で複素解析の留数定理を用いればすぐに計算できる積分をこの留数定理を知らないために積分できなくて、友人がわざわざこれを無理矢理に初等的に積分してくれたことを思い出した。

もっとも、この積分は後年私も訳者の一人となった、ゴールドスタインの『古典力学』(吉岡書店)には留数定理を使って求めてあった。



いつも仕事が遅くて

2021-02-20 11:28:20 | 本と雑誌
いつも仕事が遅い。それだけではなく、あるゆるところでひっかかる。だから仕事は常に停滞する。O先生の『量子力学講義ノート』第3部に新年からとりかかるつもりであったが、またまたあるところでひっかかってしまい、そこはpendingにして前に進めたのだが、すぐに別のところでつっかえた。

それを解決するために話が発散してしまい、さんざんたるありさまである。それでもそこをなんとか解決しなくてはと今朝から思い出した。うまくいくかどうかは自信がまったくない。

これはある程度まとまってくれば、どなたかに見てもらえるのだが、そこまでいかないからである。

困った困った。



球面三角法の書

2021-02-19 12:14:49 | 数学
球面三角法の書を探している。これは『平面・球面三角法』という並列のタイトルの付いた本ではなく、単に『球面三角法』というタイイトルの本である。

これが意外と少ない。ある書を探し当てたのだが、これは1927年発行の『球面三角法』(新宮恒次郎著)である。今この出版社があるのかどうか知らないが、富山房という出版社から出版された。

この序文を昨日読んだのだが、再版の序がついており、それによると昭和2年の初版のさいに2,000部を出版したらしい。これを売り切って昭和7年に再版となったらしい。

2年前だったか、私も自著の『四元数の発見』(海鳴社, 2014)の改訂ができるかどうか出版社に尋ねたが、初版の2,000部がまだ500部以上が残っており、一年に売れる部数はひいき目に見ても70部だから、まだまだ再版の機会はありませんといわれた。

それで『球面三角法』(新宮恒次郎著)の意外な売れ行きのすごいさに驚かせれた。

ちょっと話は変わる。普及したのかどうかはわからないが、私の本の無料pdfがインターネットで出回っていたりして、私自身が驚かされたといういきさつもあった。

もっとも税抜きで2,000円の定価でこの手の本としては安価だのに無料pdfが出回るのは著者としては納得しかねた。そのうちにその無料pdfはインターネットから消えたが、私の本は他にも『数学散歩』も『物理数学散歩』(いずれも国土社発行)も無料pdfがしばらくの間だが、出回っていた。これらも高価な本ではなかったのに。

現在、無料pdfはインターネット上では見かけないようだが、ある分野の方々には需要があったのだろう。古本で2万円以上の定価がついていたこともあった。

さすがに手元には『数学散歩』は10冊以下の残部しかないが、『物理数学散歩』の方は200部くらいの残部がある。もちろん新品である。

要するに、必要な人には渡らないという現象が生じていたらしい。

femme fataleファム ファタル

2021-02-19 11:19:56 | 本と雑誌
femme fataleファム ファタル(注)というような女性が現実に多くいるとは思わないが、現在NHKのラジオのフランス語講座「まいにちフランス語」応用編で講師の井上櫻子さんが取り上げている。

長年このフランス語講座を聴取しているので、femme fataleファム ファタルは今回はじめて取り上げられたわけではない。

今年の放送の最初のfemme fataleはCarmenであったが、二番目のfemme fataleはManonである。この二人とも詳しくドラマ仕立てで取り上げられたことがあるのを覚えているが、その内容までは詳しく覚えてはいない。

Manonの方は物理学者の武谷三男の若いときの愛読書の一つであった。これを彼は岩波文庫の当時の新訳で読んだものと思われる。もう一つ、これは大正時代末のやはり岩波文庫訳の武谷の愛読書があったはずだが、今思い出さない。

もっともこれは武谷だけの愛読書の域を越えて、この時代にベストセラーであったらしい。

(注)femme fataleはフランス語の辞書によると「男を破滅させずにはおかない女、妖婦」とLe Dico(白水社)にはある。fatalはフランス語ではファタールと発音する。ちなみにfemmeはファムと発音する。まちがってもフェムとは発音してはいけない。

松山にhomme et femmeとかいう名のヘアサロンがあるが、これがオム エ フェムとかなっており、おかしい。オムはともかくとしてフェムは発音がおかしい。hommeは男性であり、femmeは女性のことである。