朝日新聞の天声人語に今日載っていた言葉から。
それは私も面識のある、物理学者の小沼通二さんの言葉である。
「戦争や核兵器はなくならないと言う人がいる。でも考えてみて下さい。日本は戦国時代や江戸末期、国内で戦争をしていましたね。いま国内で戦争が起きる可能性があると思う人はおよそいないでしょう。地球上だって同じです」
これにはやられた。この論法は論理ではなくて、類推であるが、確かに小沼さんの言われるとおりである。同じような類推が成り立たないとは誰が言えよう。
小沼さんは物理学者として、パグウォシュ運動とか核兵器の廃止運動にも係ってきたが、こういうアナロジーは日本人にもおおいに説得力がある。
第1、地球は狭く、この宇宙船地球号から我々は降りることなどできないのだ。いつかこのブログで「火星移住計画」という小文を書いたが、これはあくまで科学者の想像上の計画というかシナリオであって、これが実際に実現することはないといっていいのだ。
ときどき、この火星移住計画のブログが検索から入ってきて、読まれることは知っているが、あそこでも書いたが、そういう科学的な想像とかシナリオから、地球の環境などどうでもいいと考えるような人が出てくるとすれば、それは心外である。
もっともまた一方で、火星移住計画のようなシナリオを科学者が考えてはいけないということにも反対である。人間が科学的に想像できることをあくまで想像する。このこともまた許されなくてはならない。
もちろん、地球上にいま、またはこれからも生まれるであろう、生物(あえて人類とはいうまい)に現在または将来にわたって害を及ぼさないという範囲ではあるけれども。
論理が首尾一貫しないかもしれいないが、私はそう考えている。