昨年の10月に「n次元の極座標でのラプラシアン」についてはエッセイを8月に書き始めたのだが、それを書き終える前に9月になってしまい、徳島科学史雑誌の原稿をいま書いている。それで時間がとれないので、標題の数学エッセイは完成していないのだが、N 先生に教わった証明法ですでに証明ができてはいる。
ただ、表現法を少し変えたいという気持ちで8月にはこのエッセイに取り組んでいた。 N 先生の示唆は円柱座標を仲立ちとして n 次元の極座標でのラプラシアンを求めたらよいという示唆である。
(n-1)次元での極座標のラプラシアンが与えられると確かに数学的帰納法で n 次元の極座標のラプラシアンが証明できる。もっとも私自身はこのような n 次元の極座標のラプラシアンが必要になったことはないので、単なるアカデミックな問題であるのか、それとも実際にこの表示が有用な場面が出てくるのかは私自身は知らない。
もっともアカデミックな問題と思っていたものが、現実世界で必要になるなどということは人類にとってそういう経験は何回もしたことがある。
(2019.11.5付記) 「数学・物理通信」7巻9号(2017.12)10-20にこのエッセイは載っている。インターネットで検索してほしい。もっとも一般のn次元の極座標のラプラシアン表示が必要になることがあるのだろうか。3次元で十分すむのが普通であろう。
もっともn次元の極座標のラプラシアン表示が与えられれば、3次元の場合にはその一般の式で単にn=3とすればよい。
3次元の場合にこだわった、3次元のラプラシアンの計算もこれについても上記の「数学・物理通信」8巻5号(2018.6)16-27に載せている。インターネット検索すれば、名古屋大学の谷村先生のサイトにリンクされている。
すべての「数学・物理通信」のバックナンバーは、谷村先生のサイトにある。
谷村先生いつもご尽力ありがとうございます。
大学生のころに1週間ほどかかって計算して、それでも正しい3次元極座標でのラプラシアンが得られなかった記憶があるが、今回は2日ほどで正しい結果を求めることができた。参照されれば役に立つだろう。
これは『物理数学散歩』(国土社、2011)に掲載した「ラプラス演算子の極座標表示」の改訂版である。