時が経つのは早い。早くも2月が2/3が過ぎた。つい先日正月が来たと思ったのだが。
Gauss数値積分の昔書いたエッセイを修正というか加筆して、その重みの計算の不十分だったところを書き加えていたのは先週の土曜日だった。それの入力を終えようとしたときにそのファイルが急に閉じてしまって、せっかくの入力の保存していなかった箇所が消えてしまった。
それでしかたなく再入力していたので、ブログを書くことができなかった。再入力の方は何とか終わった。3月が近づくとまた「数学・物理通信」の発行の月となる。なかなか私は忙しい。
日曜日は「ヨビノリたくみ」さんの本を読んで過ごした。「ヨビノリたくみ」さんの『予備校のノリで学ぶ大学数学』(東京図書)である。
この本はずいぶん前に買っていたのだが、読んではいなかった。ただ、彼の本はわかりやすく書いてあるが、いくつかのところで不満を感じた。
一つはテーラー展開のところである。テーラー展開は任意の関数f(x)を1, x, x^{2},x^{3}, ・・・の級数で表すことであるが、そうだとすれば、テーラー展開の公式をすぐに与えないで、係数は未定係数としてまずは表すべきではなかろうか。そしてその未定の係数をつぎつぎと微分して決めていくと、それが高次の微係数表わされたテーラー展開になっている。あたかも任意の無限回微分可能な関数f(x)=a_{0}+a_{1}x+a_[2}x^{2}+a_[3}x^{3}+・・・は1, x, x^{2},x^{3}, ・・・が基底ベクトルとみなすことができよう。こういう説明がほしいのである。
もう一つ、デルタ関数のところも不満に感じた。普通にデルタ関数として要請される二つの性質をはじめから要請するのでは面白くない。
幅が2dで高さが1/2dの長方形をx=0を中心としておく。このとき長方形の面積Sはちょうど1となっている。そうした長方形を考えて、面積Sの大きさを変えないで、幅dをだんだん0に近づけていくと、その高さはだんだん大きくなっていく。極限では高さが無限に大きく幅が0の長方形が考えられよう。そしてこのとき、この長方形の面積は1であるのだから、デルタ関数を―無限大から+無限大まで積分したものは1のままである。これがデルタ関数のアイディアの元であろう。
「ヨビノリたくみ」さんの他の箇所の説明はよいのだが、この二つは説明をもうすこし工夫をされたがよかろう。3月発行の「数学・物理通信」ではこのことを指摘しておきたいと考えている。上の二つのことはすでに私が以前に「電気電子工学科ミニマム」という小冊子をE大学で編纂したときにその中で説明をしておいたのだが。