物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

「江沢洋著作目録」の作成

2023-10-31 10:17:08 | 物理学
「江沢洋著作目録」の作成をしたいと考えるようになった。国会図書館の目録を調べると145件がヒットする。これではすべてを持っている人などは誰もいないだろう。もちろん私もそんなに江沢さんの著書を持っていない。

愛媛大学の付属図書館には101冊が登録されている。これだとそのギャップの40数冊は独自に調べる必要がある。

「遠山啓博士の著作目録」の作成に10年以上の時間がかかったのもそういう手元にない書籍の書誌情報を得るのに手間がかかったからである。遠山さんの場合には数教協の会員の著作の出版に彼の名義を貸したようなところもあったので、その著作目録をつくるのは至難を極めた。

数学教育史の研究者である、Uさんが共著者になって、尽力してくれたのでようやく一応の完成を見たのである。

「江沢洋著作目録」に話題をもどすと書名だけなら、国会図書館の目録で十分であろう。だが、もっと精密なデータを記録しておきたい。そこのところがデータの質がちがう。もちろん、これは善し悪しの問題ではない。





言葉の広がり

2023-10-30 11:16:41 | 本と雑誌
ここでいう「言葉の広がり」は意味の広がりを意味している。

この場合には教室という語である。妻が医療生協の支部活動の一環として「パソコン・スマホ教室」を行っている。

ところが、ある時その参加者の一人が他の人に聞かれて「あれはパソコン教室」ではないと言ったものだから、妻はちょっとその人に腹を立てていた。

ある時、その発言をした人に電話して妻が話したら、結果的に教室の意味するところがちがっていたことがわかった。

要するに発言をした人は小学校等で先生が部屋(教室)の前に立って生徒(または聴講生)である方々に教えているという狭い意味の教室を意味しており、妻はそういう狭い意味での「パソコン教室」というときの教室を使っていなかった。

すなわち、わからないことやできないことや疑問があったら、そういうネックが解消できる術のある場所という意味で使っているのであった。

だれか少し技術のある人がいて、くだけた普通の会話でその問題点を知り、場合によってはその解決策を示せる場所という意味である。

これでは互いが悪意があるわけではないが、意味が通じないであろう。


雑談会は続くらしい

2023-10-28 16:56:55 | 本と雑誌
今日は140回目かの雑談会であった。もう続けられないかとか言ったのだが、あまりそれに対して反論とか危惧とかはなかった。

ただ、自分の話す話題があるとかいう人が続いたので、当面は続くということになった。

ただ、連絡する担当になるという人はでて来ないことが問題ではあるのだが。

話題を提供してもいいという。

とんでもない間違い

2023-10-27 13:03:45 | 本と雑誌
昨夜のzoomによるドイツ語のクラスでの宿題の発表があったが、私の解答はまったく筋違いであった。もちろん、だからこの中の解答には皆さんの前には出ていなかったのでこのことは、私と講師のR氏だけが知っていることである。

ということでどうも筋違いの振る舞いが多くなってきたので、他のメンバーにも迷惑をかけるのでそろそろクラスをやめるときが来ている。

こういう気持ちになったことは最近までなかったのだが、今期のクラスをもって卒業か落第かわからないが、クラスを辞めるというか、おしまいにしたいと決心した。

人間、年は取りたくないものだ。こういうとんでもないことを起こしてしまうのだから。

10月の子規の俳句

2023-10-26 14:03:30 | 本と雑誌
10月の子規の俳句を今月まだ紹介していなかった。

遅まきながら紹介をしておこう。

  三千の俳句を閲(けみ)し柿二つ    (子規)
  After going over
       three thousand haiku
       two persimmons for me       Shiki   (1897)

三千の俳句を読んだ後に柿を二つ食べたということだろうか。俳句を選んでいたのか、それとも添削するとか、または、選んだ上で評をまでしたいたのか、詳しいことはわからない。
 
persimmonは柿の英語だろう。知らないのだが。

パレスチナとイスラエル

2023-10-26 11:22:56 | 本と雑誌
パレスチナのガザ地区のハマスとイスラエルの紛争は今回の直接の原因はハマスのイスラエルへの攻撃であるが、それにしてもそれ以前のイスラエルのガザ地区への封鎖が原因となっていると思われる。

そういう意味ではグテレス国連事務総長の人道危機発言は納得ができる。ガザの市民の人道危機はそこだけとれば、ハマスが原因だと言えようがそれにはとどまらないもっとそれ以前の歴史を鑑みなくてならない。

私は歴史に疎いので、その点は何とも言えないが、やはりイスラエル建国の時代までさかのぼる必要があるだろう。

ナチス時代にユダヤ人の600万人ともいわれる人々が犠牲となった。このことは痛ましい出来事であり、断じて許されないことだ。だが、そういう多大な犠牲を払った人々がパレスティナ人を追い払ってそこに住むようになり、パレスティナの人々をガザ地区のような狭い地区に押し込めて封鎖するとまでなれば、やはりそこでの話に収まらなくなってくるのではないか。

やはり、パレスティナ人とイスラエル人とが共存して仲良くよく暮らすのでなければならない。なかなか今までの遺恨があってそう簡単ではないのだろうが、最終的にはそこらあたりで妥協が成り立たなければいけないと考える。

ユダヤの人々である、イスラエル人は才能に富んだ人々であると聞いている。また商才もあり、財を成す方々も多い。ただ、それがすべてパレスチナの人の我慢だけの上に成り立つのだとすれば、それはいただけない。

平和共存で生活できるように粘り強い交渉がお互いに必要なのだと思う。多分こんなことはお互いにわかっているはずであろう。だが、お互いの面子のためにそういうことができないであるとすれば、とても残念なことである。

パレスチナ人とイスラエル人とがお互いに自由に相互に敬意をもって過ごせる時代が来ることを切に願っている。軍事力による抑圧は最終的な解決にはならないことだけはわかっているのに。

7回目のコロナ接種

2023-10-25 14:28:42 | 本と雑誌
今日、7回目のコロナ接種を終わった。医師の話によるとコロナもずいぶんと軽くなっているとのことである。

だが、私たち年長者にはもしそれでも感染すれば、体に負担が大きいかと思って7回目のコロナ接種に行った。

これほどコロナ禍が続くとはだれも想像していなかっただろう。mRNAのおかげでワクチンが比較的早くいきわたって大被害にはならなかったのは人類にとってはまあまあよかった。

幸せとは

2023-10-24 20:04:08 | 本と雑誌
幸せとは有名大学に入ることではないような気がしている。

もちろん、有名大学を出て、活躍する人も多いのだろう。だが、昨日の同窓会の後で考えたことは必ずしもそうではない友人たちの後世があったような気がしたからである。

私よりも有名大学に入った人は多くいたのだが、いまの私より幸せだった人は少ないのだろうと思っている。これは家庭的な幸せのことではない。それは人それぞれ幸せだったのであろう。

だが、84歳の現在、自分が十分に幸せであると感じるからである。これは大学在職中には感じることのできなかったことである。だから、地位とか名誉の問題ではない。やはり自分の生き方とか性(しょう)に現在の自分があっていると感じているからだ。

久しぶりに何人かの友人にあってこの人たちも幸せであるだろうと想像できた。その一人は S 君である。彼は演劇に凝って自分の劇団をもっているはずだ。それに有名な詩人で劇作家の寺山修司の全集の3人の編集委員の一人である。

若いときには映画に凝って高校の授業をさぼって映画を見に行くほどの映画好きであった。しかし、どこかの映画の撮影所で助監督か助手になったのだが、映画を諦めて出版社をはじめた。

あるとき寺山修司とつきあいができて演劇に熱中するようになり、出版社を他人に譲って演劇にのめり込むようになった。脚本を書いたり、または、劇の演出もしているだろう。そういう人はやはり幸せだろうと思う。

私もそれには劣らず自分の好きなことをしている。こんな幸せなことがあろうか。

森ダイアグラムに基づいた数学のテクスト

2023-10-24 13:32:03 | 数学
「森ダイアグラム」に基づいた数学テクストをつくる必要があると声を大にして言っておきたい。

「森ダイアグラム」とはなんだ、ということになるが、それの説明はわざとしないでおく。

これは「森ダイアグラム」とはなんだ、ということを知ることから始めてもらった方がいいと思うからである。倉田令二朗『数学と物理学の交流』(森北出版)のp.16に「森ダイアグラム」の図が出ている。森毅さんの『ベクトル解析』(日本評論社)にも説明があるだろうか。

森ダイアグラムにしたがった数学テキストできちんとしたものがあってほしいと思っているが、それに私の納得のいった書はまだないように思う。

瀬山士郎さんの『正比例の数学』(東京図書)や松田信行、宮本敏雄『微分と積分』(講談社)とかがこの森ダイアグラムを考慮した現存のテクストであろうか。

だが、もっとつっ込んだテクストがいるのではないかと思っている。私自身もこれに関与できたらとは思っているが、それだけではなくもっと一般に若い方に関心をもってそういうテクストを書く人が出てほしいと思っている。

実はここに書いたほど熱烈ではないが、ある方にこういう趣旨のメールを最近送ったことからこのブログにも書いておいた方がいいのではないかと思った次第である。

というのは最近「遠山啓博士の著作目録」を数学・物理通信号外号に発表して同人に送ったら、初めて遠山のことを知ったというような便りをもらったからである。

一方では隣国の中国では遠山さんの思想に触れて彼の著書を中国語に訳して出版する出版社ができているとも聞く。森ダイアグラムがもっと世間に知られた方がいいのではないかと思い始めている。

ある整数問題の類題

2023-10-23 10:49:49 | 本と雑誌
性懲りもなく先日書いたの整数問題の類題について書く。

前の問題は「2つの続く奇数の積に1を加えるとそれは4の倍数になる」であったが、今度は「2つの相続く偶数の積に1を加えるとそれはそれらの偶数の和の相加平均、すなわち、二つの偶数がはさむ奇数の2乗となる」である。

相続く偶数を2nと2n+2とする。このとき

  [2n+(2n+2)]/2=2n+1

となる。ここで2n+1=Aとおけば、A-1=2n, A+1=2n+2である。上の式は

  [(A-1)+(A+1)]/2=A

であることを示している。また A=2n+1である。

  2n(2n+2)+1=(2n+1)^{2}

である。これは単に

  (A-1)(A+1)=A^{2}-1

の右辺の1を左辺に移項した

  (A-1)(A+1)+1=A^{2}

のA=2n+1を代入すればよい。

   

今週は忙しい

2023-10-22 11:43:30 | 本と雑誌
今日は日曜日なのだが、今週は忙しい。今日の午後からは教育会館で大江健三郎さんを偲ぶ会がある。

明日23日の夕方にはコロナ禍によって開けなかった4年ぶりか5年ぶりで人生で最終の、高校の同窓会がある。一日おいて25日にはコロナワクチンの7回目の予防接種がある。

つぎの26日は歯の定期健診での歯のケアがある。9月までは暑かったのでしかたがなかったが、暑くなくなってくると大忙しである。

私の本来の仕事であるはずの本の英語への翻訳はまったく取り掛かれない。それに昔書いた数学エッセイの修正や改訂に毎日latexに取り組んでいる。昨日書いた整数の問題もそういった課題の一つである。

大学を退職した後の2年ほど高校数学のe-Learningのコンテンツをつくっていた。かなりの分量のコンテンツをつくったのだが、パートナーの大学にまだ勤めていた方がlatexを使わないというので、ワードで原稿を書いた(注)。

そのワード原稿をlatexにして、かつその原稿に欠けている三角関数の部分を補ってどこかに出版してくれるところを見つけたいとは思っている。ところが三角関数の部分がなかなかきちんとでき上らない。だからどこかに出版の検討をしてもらうことすらできないという始末である。

ああ、こうやって無為に人生を終わるのかもしれないなどと思う。幸いまだ健康なので人生の夢は果たせないとしても努力はしてみるつもりである。

人生が徒労に終わるとしてもそれは結果であって、人生の途中は夢というか野心をもって生きたい。そうすれば、人生は楽しいではないか。

(注)このe-Learningのコンテンツの対象は高校生ではなかった。私が数学の落ちこぼれであったことから、大学の理系学部に入ったが、落ちこぼれて文系に転身をしたいなどと考える人を対象にした高校数学のレベルのe-Learningのコンテンツである。

もちろん、話は大学の微分積分学へと発展をしていく予定であったが、そこまではまだ発展をしていない。素材はあるのだが、そこまで手が伸びていない。いずれもし生が続けば、そこにも手が届けばいいとは思う。

目標は以前にこのブログの「正比例の数学」で書いたようなところである。

整数の問題

2023-10-21 11:37:50 | 数学
今日はクイズみたいな問題について書こう。

これはある中学校の参観授業での報告を読んで私が今書いている数学エッセイのポイントである。
問題は

   連続する2つの奇数の積に1を加えたものは4の倍数である

である。

解答は二つの奇数を2n+1と2n+3とすれば、求まるのであるが、この性質がどこからくるかわかっていなかったが、わかったので子どもみたいにここに書いておく。

そのためには2n+1と2n+3の相加平均は2n+2であることに注目すれば、この3つの数は連続する整数である。すなわち、2n+1, 2n+2, 2n+3は連続した整数である。もちろん2n+1と2n+3とは奇数であり、2n+2は偶数である。

2n+2=Aとおけば、2n+1=A-1, 2n+3=A+1である。ここで中学校で学ぶ恒等式
  (A-1)(A+1)=A^{2}-1
を思い出し、このAにA=2n+2を代入すれば、
  (2n+1)(2n+3)=[2(n+1)]^{2}ー1
が求まる。この右辺のー1を左辺に移行すれば(すなわち、上の式の両辺に1を加えれば)、
  (2n+1)(2n+3)+1=4(n+1)^[2}
が求まる。これが解答である。

実は右辺の4という因子は2を2乗したために現れてくるのである。

どうしてこんな解答を思いついたかというと実は

 [(2n+1)+(2n+3)]/2=2n+2

を2乗した式を計算していて見つけたのである。タネが分ってしまうと難しくもなんともないのだが。


今日は13巻号外号を発行する

2023-10-20 09:59:31 | 数学
今日は13巻号外号を発行するつもりだ。

この号外号は数学エッセイを全く載せていないから、あまり面白くはない。しかし、この号外号は数学教育に革命をもたらした「遠山啓の著作目録」である。

これは彼の書いた、または、関係した書名を挙げてあるものである。1921年12月にやはり号外号として発表されたものの改訂版である。

前の版は42ページであったが、改訂版では58ページに増ページである。遠山さんの信奉者は多いと思うが、こういう地道なリスト作りまでする人はあまりいないと思われる。

今回この改訂版の共著者となってくださったUさんは数学教育史の研究者である。それで教科書とそのたぐいのリストの箇所が格段に拡充された。午後にはメンバーにメールで配布をしようか。


生活に現れるフランス語

2023-10-19 11:46:15 | 外国語
前から書いてみたいと思っていた話題は日常生活に現れることが多いフランス語である。とはいっても大したことではない。

我が家のトイレに行って便座に腰を下ろすと床のマットに目が行く。そこに書かれたのはvie priv'eeである。これは辞書を引いてから書かないといけないのだが、英語で言えば、private life(私的生活)であろうか。

また別のマットではrouge de roseとある。これは「バラの赤」とでも訳せようか。

物理学者の武谷三男が2000年に亡くなった後で鶴見俊輔さんが追悼の文を朝日新聞に書いていたのだが、1999年の秋に東京の清瀬市にあった施設ラビアンローズに武谷を見舞いに行ったとあった。このラヴィアンローズもフランス語である。La vie en roseとでも書くのだろうか。ラヴィ アン ローズと分けて書いたり、発音するのはよくない。

まるで一語のようにラヴィアンローズ(意味はバラ色の人生)と発音するのだ(注)。これはフランス語で有名なリエゾンだとかアンシェヌマンとか言われるものである。リエゾンは連音とかアンシェヌマンは連読とか訳されている。

もう耳にタコができるくらい聞いた言葉だが、いまもあまり区別がわからない。リエゾンは本来は語末の発音しない音をつぎの語と連なるときには発音するということらしいし、アンシェヌマンは前の語の発音する音を次の言葉とづつけて発音することだという。

(2023.11.15 注)ラヴィアンローズ(バラ色の人生)はフランスの有名な国民的シャンソン歌手(エディット・ピアフだったか?)の歌った歌のタイトルでもある。有名な女性歌手であるが、名前は今思い出せない。これだから老人は困るのだ。もちろん私のことである。


昨日経験したこと

2023-10-18 11:16:23 | 外国語
昨日経験したことは英語のことわざで日本語のことわざ「去る人日々に疎し」に対応することわざがどうであったか。

 Out of sight, out of ・・・

であることは思い出したが、この・・・のところが思い出せない。手元のハンディな辞書を引いてみたが、出ていない。しかたなく岩波の『英和大辞典』をひいてみたら、

 Out of sight, out of mind

とあった。高校の英語のグラマーの時間に覚えた気がしたのだが、この全然mindという語に思い当たらない。ということは私はこのことわざをきちんとは覚えていなかったのだろう。

先日、NHKテレビの「しあわせ気分フランス語」を見ていたときだったか、少し考えて見なくてはとかを口に出せて言えとかいわれたが、言えなかった。

   Il faut un peu reflechir.

とか解答があった。そういえば、よく考えるとはreflechirというなと思い出したが、ななか自分では思い出せない言葉だった。

英語でreflectといえば、物理学では(光が)反射するという意味である。これと同じ意味のフランス語でreflechirはある。もっともreflectがよく考えるという意味にはあまり英語では出会ったことがない。

(注)物理を学ぶ者には反射する(reflect)とか屈折する(refract)とか回折する(diffract)とかは光とかX線に関係して覚える基本的な用語である。