水曜日は夕食が遅くて、食事をしながら一緒に見ていた息子のルート君が、食事が終わった途端に席を立ちました。
ここまで見ていて最後まで見なくていいのかと私が聞くと、
「きっと犯人はこの男。だからもういいかなって。」と言いました。それは母親が詐欺に遭い自殺してしまった男、大庭の事を言ったのです。
あっ、そうそう。ネタバレしています。再放送時の訪問の時にはお気を付け下さい。
私は思いました。
―それはどうかな。まだまだ甘いね、ルート君。
2時間サスペンスだと、だいたい登場人物が出そろった時に、だいたいこの人が犯人と思った人が犯人の事が多いと思いますが、「相棒」の場合は、一番怪しいと思った人が犯人だと思うのは多くの場合間違いですよね。
この大庭と言う人は、普通はフェイク。
だから犯人はあの編集者だなと思いました(それしか登場人物が居ないからね^^)
でもこの大庭は完全なるフェイクではありませんでした。
今回のお話で、ほんのちょっとだけ不満があったとすれば、実はここだけ。
いくら詐欺被害の金額が多かったからと言って、どんぴしゃりの関連のある人の所に右京たちは行っちゃったのですよね。私的には詐欺被害が400万の人が出て来て欲しかったな。
人が絶望して死んでいくのは、金額の多さではないと思うんです。
もう一つの騙しがあったら良かったなあと思ってしまったのですが、はっきり言って欲張りですね。
でも今回のお話、結構満足度が高いです。
私は亘と言う人のキャラがまったくつかめません。
官僚でありながら飾らない性格と言うレベルじゃない人ですよね。
居眠りをしていて「冠城君!」と呼ばれると、半分寝ぼけて
「はい!!」と大きな声で返事をする。面白いんだけれど、この人がまったくつかめなくなるのです。
でもイタミンが窮地に陥り、特命を頼って来た時には、まさに土下座をしそうになったイタミンに皆まで言わせずに
「お任せ下さい。」などと言う所なんかは、おちゃらけた軽い感じに見えてしまうのだけれど、分かっていてやっているようにも見えて、やっぱりさっぱりこの人が分からなくなるのです。
だけどそう言う所が結構好きかも。
私は今回のドラマで、自分の中のダークな部分をとっても感じてしまったかもしれません。
ベランダから転落してしまった女性の、偽りの遺書。
「生きている意味が分からなくなってしまいました。」
これって、まさにその通りじゃないって思ってしまったのです。この人に何の生きる意味があるんだろうかと。
詐欺師は詐欺師と言う生き物になってしまって、もはや人間じゃないですよ。
これ以上は過激な事は書くまいとは思いますが、書かない過激な部分は心の内にありますよ。
だから編集者の人の言うことにも、なんか分かるような気がしてしまったのです。
でもだからこそ、今回の右京の言葉は胸に突き刺さりました。
― 確かに !!
って、凄く思ったんです。
ジャーナリストは真実をまげて読者をだますような事を書いては決してダメなんですよね。
犯罪を暴くツールとして、利用してはいけなかったんです。
一つ許せば、やがてすべてを許すようになり、何が真実か分からなくなる場合もあるし、またはいつかはジャーナリズムが利用されて、時には人は扇動されてしまうかもしれません。
「今、記者としてあなたは正しい事をやったと言えますか。」
「言えますか?!」
大事な事なので二回言ったのですね、右京さん!
そして
「お母様の敵が取れましたね。これで心が晴れましたか ?」と大庭に問う右京。
― ひとりは死に、ひとりは犯罪者になってしまった。
「復讐で心の平穏を手に入れるなんて出来ないと思いますよ。」
「どうしたら良かったんだ・・・どうしたら・・・」と苦悩する大庭の姿が印象的でした。
よくよく考えてみると、この事件の発端は警察不信なんじゃないですか。
編集者の今井が集めた証拠で殺された女性は、逮捕できるんじゃないかしら。市役所の者だと名乗っちゃってるわけだし。
そこから後ろにいる人間もあぶりだせると思う・・・・。
だけど、「警察じゃダメなんだ。」と思えてしまう。そこが一番のダークサイド。
これって若干世相反映だと思いますよ。
そう思ってしまうことの無いような警察であって欲しいとしみじみと思って、今回の感想は終わりです。
遅れて感想を書いたので視聴率が出ていました。
15,3。
ちょっと盛り返して関係者の方々はホッとしてるかもしれませんね。
というか、「相棒」関係者の方々、かわいそう。
こんなにドラマ不調時代なのに、12パーセントを取っても悪く言われちゃうなんて・・・・・。
押してくださると嬉しく思います。↓