おとといの事ですが、病院に行きましたら、夫殿が
「ああ、退屈~。雑誌買って来てと頼んどけば良かった。」と言いました。
ステロイドが効いたのか、ようやく熱のない夜を過ごせるようになった夫は気力も回復し、なんだかお気楽な感じ。
ちと心の中でムッとしてしまった私です。
何でもないような顔をしているけれど、私の方は、相当フウフウ、ゼイゼイと言って毎日を過ごしていると言うのに。
「じゃあ、今、下の売店で買ってくるね。」と心の声はそっと隠して、病院についているコンビニに行きました。
うちら夫婦はおしゃべりもするけれど、そんなに長い時間はお互いにケッコウと思っているので、滞在時間は短くていいのです。それもあるけれど、2時からのお見舞い時間と夕方からの私のお仕事時間を考えると、どうしても行ってはとんぼ返りになってしまう日があるのは仕方がない事なのでした。
火曜日はそんな日の予定だったのですが、このコンビニの往復だけで予定が狂うことは分かっていました。だから途中で電話を掛けて30分だけ時間をずらしてもらいました。
コンビニに行って雑誌と本とおやつを買い求めて戻ると、
「時間がかかったね。バスが次のになっちゃうね。」と夫殿は心配そうに言いました。
「いいの、いいの。私も疲れたから、ここでのんびりしていく。」
そう。
顔色の良くなった夫を見ていたら、疲れがじわっと滲み出てきた感じがしたのです。
― ああ、明日もメチャクチャ忙しいな。
そう思ったら、自然に
「今週は、いろいろ予定がつまってるので一日おきに来るからね。」と口に出ました。
「うん、大丈夫だからそうしなね。」と夫。
今の時代はありがたいのです。行かなくてもメールで繋がり合えるのですから。
こんなに私たちは今までメールなどしあった事はなかったです。(ラインじゃない所が、ちょっと今風じゃないのよね、私たち^^ )
行った時には、その日にした検査結果がまだ出ていませんでした。
「あのさ、その結果が芳しくなくてもね、今までずっと働いてきたんだから、人生の休暇だと思ってゆっくり休めばいいんだからね。」と言って私は帰りました。
この「人生の休暇だと思って」と言う言葉ですが、病気になってしまった人、入院してしまった人に、誰にでも迂闊に言える言葉ではないと私は強く思います。
励ましにならない場合もあるからです。
だけれど夫殿はようやくその言葉が言えるところまで来ました。
朝、またメールが来ました。
『検査の結果はあまり良くなくて、ちょっとしか良くなっていなかった。』
― ああ、きっとがっかりしているんだろうな。
そう思ったとたんに、またメールが来ました。
『少しがっかりです。』
トップ画像は、昨年の7月に撮ったものなんです。
種が飛んで再び楽しませてくれたスミレ。
そして再び、この花は知らないうちに種から復活しました。下のは1月18日に撮影したものです。
私は時々、ベランダの花たちからも命の力を教えられているような気がするのです。
足早に過ぎる季節もあるけれど、ゆっくりと過ぎていく日々もあると思います。
ゆっくりと行こう、夫も私も。