森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

「相棒」蟷螂たちの幸福

2007-11-09 10:23:27 | ドラマ(相棒)

第三話、「蟷螂たちの幸福」もなかなか面白かったですよね。水曜の夜、ちょっと出かけていて、昨日の朝見ていました。

 

ミステリー作家の蓬城静流が、いかにも怪しくアリバイ工作なんかをして、部屋を抜け出した時、なんだかありきたりの展開っぽく感じてしました。ですが、それをさせたのは待っていた夫、田橋です。

「何をするつもり?」
「こうするつもりさ。」と銃を向ける田橋。恐怖の瞳で見つめる妻。
いい感じです。そして、CM。

 

再び幕が上がってみると、死んでいたのは田橋のほうでした。どうも自殺らしいと言う雰囲気が漂っているところへ、妻が現れますが、何の動揺も見せない妻。

・・・・さては返り討ちか・・・

部屋には無くなっているクッションと百科事典が一冊。硝煙反応のトリックか。

でも、なんかありきたり・・・

葬式でも、死んだ田橋の妹が、
「兄はあの女に殺された。いいようにこき使われて。」と、まるで蟷螂のようだとなじります。

 

でも、花の里で美也子が一年に一度は二人で温泉に行く、おしどり夫婦に見えたと語ったときから、だいたいすべてが見えてしまいました。

鑑識の米沢さんが静流のことを語り、また彼女も苦しそうな顔をして、薬を飲んでいたりしたら、動機やらなにやら細かいところまでまるわかりです。

確かに変わったというか、凝った内容だと思いましたが、ミステリーとしては親切すぎたような気もします。もっと最後のほうで吃驚してみたかったかもしれません。

でも物足りなかったかと言うと、そうではありません。多分、それが狙いだったのだと思いますが、この二人の「愛の物語」には、私はぐっと来ました。

 

田橋が自分の胸を撃つ前に言った
「君のいない世界を思うと耐え切れない。」と言うセリフで、思わず涙が出そうになりました。
とその時、忘れ物を取りに来ただんなが(仕事場が近いが、途中で帰ってくるなんて10年に一度)

「おい、『相棒』で泣いてちゃ、涙がもったいないぞ。」と言いました。

いいところなんだから、早よ、仕事に行けと心の中で思いながら、だんなが仕事に行っている間、こんなことばかりしているのかと疑われたかもしれないと、気になりました。・・・まあ、そういうときもありますが・・。

 

でも自分の命を懸けて、がんで死んでいく妻に最後の一作を書かせるなんて、出来る事ではありませんよね。そして妻も、悲しい気持ちを押し殺して、夫の死が無駄にならないように、クールに書き続けるなんて・・・・

 

そして完成した彼女の遺作「蟷螂たちの幸福」でした。

でも、売れているその様子を見て、文句言っていた妹にはお金が入って万々歳、なんてくだらないことを考えてしまいました。

でも、この愛、かなりお騒がせな「愛の形」だったかもしれませんよね。

 

2010,8,17追記
私も、昨日の再放送で久しぶりにこの作品を見ました。やっぱり、この作品好きです。ずっと笑顔なく重厚な雰囲気だった妻の、書店に張られていたポスターの微笑が、満足の気持ちを表していて素敵でしたね。


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