(愛知県江南市木賀東町新宮 式内社 旧郷社 2007年8月28日)
創建年代は不詳であるが、延喜式神名帳に記載があることから平安時代初期には存在していた伊賀ヶ原神社。日本武尊(やまとたけるのみこと)、仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)、乎止与命(おとよのみこと)、祓戸大神(はらえどのおおかみ)を祀るが、付近が伊賀原氏の根拠地となっているとされるため、創祀当初は同氏祖の伊香色雄命(いかがしこおのみこと)或いは伊香色謎命(いかがしこめのみこと)が祀られたと推定される。平安時代末期の尾張国内神名帳には伊賀原天神と記載されるが、その後衰退し、江戸時代には熱田大明神の名が見える。但し、伊賀原氏の祖とされる伊香色雄命は物部氏、尾張氏の祖でもあり、同じく祖を祀った熱田神宮との関係は当初からあったのであろう。明治3年(1870)に旧社名に復している。尚、社殿前にはこの地方特有の蕃塀(ばんぺい)が設けられている。
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