京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 指先のこだわり  

2010年06月08日 | 日々の暮らしの中で
朝の目覚めだけは、次第に早くなってくる。
今日も聞こえる。小さな声で、ホケキョ ホケキョ ホケキョ…と。いつしか起きろ!起きろ!のかけ声になって。と、…カケタカ …カケタカも耳に入ってきた。紛れもなく「テッペンカケタカ・テッペンカケタカ」だ。どう聞いたって「特許許可局」とは聞こえてこない。
ぼんやり小鳥の声に和んでいるうちに、10分・15分と這い出すのが遅くなる。
今日は何曜日だったかな、今日の予定は…、脳からの指令はいたって遅く、起き出すまでにまあまあなんと間があることか。

「手は第二の脳」だと言う。その指先から生まれる副産物。Jessieのために作る洋服、編み物、小さな刺繍を施して手提げのかばん…。手芸を初め華道、書道、料理、農業…を楽しむ世の多くの人たち。ハンドメイドの市は賑わいを見せているようだ。

文章を書くのも手書き、これにはこだわりがある。と言うか、直接ワープロで文を綴ることができないだけなのだが。書いては消し書いては消ししながら表現を練っていく。何度も書き直して、わずかだけれど微妙に感覚が変わってくるのを実感しながら進むのだ。辞書を片手に。

改定常用漢字表が文化審議会に答申された。新聞では「大幅196字追加」が大見出しに含まれている。音訓の読みで追加の対象語もある。難解な文字が多いのも「社会生活で使われる漢字の目安」、今は簡単に文字を漢字に変換してしまうご時世の産物と言える。

手書きにこだわることはいっそう楽しいではないの。小さなこだわり、ずっと身についたスタイルをもはや変えることはない。「原稿用紙へ向かったものには深みがある」、せいぜいこの励ましを支えにするしかない。
コメント (2)
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