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京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 「心より心に伝ふる花」

2010年08月01日 | 催しごと
先日「やせていても暑いなあ」と知人が言った。「骨が直接あったまるんじゃない?」と私は答えた。
「猫だって相応に暑さ寒さの感じはある」のがわかった。やはり「こう暑くては猫といえどもやりきれない」らしい。
「骨だけにならなくともいいから、せめてこの淡灰色の斑入りの毛皮だけはちょっと洗い張りでもするか、当分のうち質にでも入れたい気がする。」と。
今日も朝から気温が上がって暑かったこと!

京都在住の囃子方同明会により毎年8月に開かれてきた、能楽のお囃子を音楽として聴く「囃子堂」を楽しんだ。

能の音楽は、声楽―謡、 器楽―囃子(笛・小鼓・大鼓・太鼓)が役割を担うが、単なる伴奏ではない。
短くちょろちょろっと、心象風景や象徴的な心理音を吹いたりする会釈(あしらい)笛の重要さなどお話を伺ったことがある。横田流笛方 帆足正規さん(重要無形文化財『総合指定』保持者)によれば、合わせようとするのではなく、妥協せずに自己主張でせめぎあう、この緊張感の結果に音楽として合って来るという。
 
イヤーァッ! イヨーオッ! ヨッ! オッ! ヨオーーオッ!
掛け声の見事な掛け合いが続き、緩急のついたリズムが生まれる。
下ろしたタクトを振り上げるときが掛け声になり、そこをあわすのだという。笛の3つの調べの会釈(あしらい)を聞き分けてみて…と解説が入るが、難しい。
解説者自身聞いたことがないという人間国宝曽和和博さんによる小鼓で「無謡一調」、めったに演奏されないという「三輪」「屋島」…。

吸い込まれたり弾かれたり、はねるような軽快さ。無音・無声の息詰まるような間。
こうしたリズムに働きかけられることで、情緒的に内面に意識が向かう、沈んでいくというのか…、
一種の陶酔状態が潜んでいるといってもよさそうだ。
よかった!ぜひ聞いてみてっ!と押し売りしたくなる衝動はそこから生まれるのだろう…。

麻酔が覚めて外へ出ると、5時に近かった。
コメント (2)
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