境内の小屋の前に蝉が仰向けで転がっていたが、近づくとまだ羽をバタバタさせる。
道路わきでも、この頃はそんな蝉をよく見かけるようになってきた。
今朝、気付けば蝉が鳴いていない。暗い空はかすかな雨のせいだった。
すさまじい蝉の鳴き声につられるかのように日差しが強まり、気温もぐんぐん上がっていったものだ。
「夏と秋と行きかふ空のかよひぢ」が一筋…、このところは季節の移ろいの中にあるのを感じられるようになった。
色素が抜けた突然変異なのだろうか、真っ白な朝顔が2輪咲いた。この種を取れば来年も再見できるのかと今ふと思ったわけだが、明日は間違いなくしるしをつけておくことにしよう。
夏の戸外でよく作るカレー。
“戦地または平時野外における調理”として、「カレー汁」の作り方がこう記載された本がある。
●鍋に牛肉と少量のラードとたまねぎを入れて炒め、350ccの水を加え、先ず人参、馬鈴薯、玉葱の順で煮て、食塩にて調味する。
●そこに、ラードを煮立て小麦粉を加えてかきまぜ、カレー粉を入れて作っておいた油粉捏を煮汁で溶きのばしながら流し込む。
「温き御飯を皿に盛りて其の上よりかくればライスカレーとなる」とある。
甘味品のドーナツ・蒸羊羹・流し羊羹、特別食として流動食に果物ゼリー・牛乳ポンチ・ココア牛乳…なども食したのがわかる。
戦時中、中国へ渡った伯父が私に譲ってくれていたのだが、しまい込んだままだった。
時も季節も移り変わるが、忘れてならないものはあるのだろう…。