京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 日本人の本好き

2010年08月11日 | 催しごと
                

賀茂川と高野川の合流点にある糺の森は、鬱蒼と樹木が茂っていて下鴨神社への参道が続く。『方丈記』の著者鴨長明は、この森の中にある河合神社の禰宜の二男として生まれたが、跡継ぎに関わる一族内の確執によったか、50歳を過ぎたころ大原に隠棲したとされる。

森の外を行き交う車の喧騒などまったくない、神さびた雰囲気すら漂わす別天地に近い糺の森に朱色はよく映えている。昨日の激しい雨あがり、ジメッと籠もった空気がちょっとした原生林の趣を高めているような…。

              

まだ午前10時半過ぎだというのに、既に古本まつりの会場は多くの人であふれ返っていた。そして、なにやら感じる気ぜわしさは空模様との相談だったのか、降る前にお宝を探そう!とでもするかのようだ。
でもちょっとひどい、殺気だってるんじゃない? … 気付けばそこは100円コーナーだった。胸の前に高々と積み上げた本を両腕で捧げ持った人、お手伝いしましょうか?と声を掛けるようなおせっかいはやめたけれど、前が見えるのかしら。

こんなに本好きがいるのか!?と 嬉しいような笑いたくもなるようなだ。そうした人の様子を腰を下ろして眺めている楽しさ、これもなかなか捨てがたい。そして80万冊という書物の数に手を伸ばす、人の趣味思考は実に様々だ。

「日本人の本好きは寺子屋教育がなかったら到底成り立たなかっただろう」と、誠心堂書店のご主人は言われている。日本の教育の広まりに一役果たした民間の“学校”・寺子屋の存在意義は大きいようだ。
それなら、我が所のご先祖様の努力にも感謝のナンマイダ~、というところかな。
コメント (4)
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