

「寒い冬は勉学に励む時期」… だそうな。
が、年を取るとなかなか読書も進まないことをユーモラスに描く蘇轍の詩がある。
「若い頃は寒い夜に火の気もなしに読書をした。次第に目がかすんで細かい字は苦手になって、日向ぼっこしながら書物を手にすると、すぐに眠くなる。子供の笑い声で目が覚めると書物が前に落ちていた」・・・と。

宋の時代の人間も今と変わりはないものだと思いながら、それでも新しい本を手に入れることは嬉しい。
書店に在庫があるのを日々確認しておきながら、今日買うことにした一冊の『奇縁まんだら 続の二』
「この世で同じ世代を生き、縁あってめぐりあい、言葉を交し合った人々の俤が、夜空の星のように、過ぎて来た過去の空にきらめいている。その人たちのふとした表情や、無防禦な言葉の端々が、いきいきとよみがえってくる。どの人もなつかしく、もう一度逢いたいひとばかりである」 と寂聴さん。
そんなお方を41人、どんな人柄に触れさせてもらえるのか、それを楽しんでみたい。
今日は先負。ゆっくりすることに吉、とあるので急いで買うのもどうか…となるが、ゆっくり読めばいいやと、わけのわからない理屈をこねてもう一冊。
「エエ加減」がちょうどいい、と名物教授だった森毅さんの『…戯言』。
寒さが厳しい頃と捉えようか、春らしくなってきたと見たらいいのか?この「きさらぎ」…。
いずれにしてもポカポカになる前に読み終えよう。