京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

大阪最終公演「トゥーランドット」

2008年05月09日 | 映画・観劇
ブルーにシルバーという冷たく冴えた色彩の衣装を身にまとう女帝トゥーランドット(アーメイ)が、
終章にかけては、ピンクを基調とした艶やかな温かい色合いの衣装で舞台に立つ。美しい!!

宮本亜門さんが“現代人の視点で甦らせた新しい音楽劇”とあります。
権力をもつことで変わっていく人間性、政争の裏切り、はかりごと…。

国を追われ棄て身の皇太子カラフ(岸谷五朗)も、彼を一途に支える次女リュー(安倍なつみ)の言葉、
「命は自分だけのものじゃない」を理解していきます。
冷たい心で君臨する女王の心にも生まれる、人を恋する想い。

謎解きの答えから発せられる、「光」「希望」「愛」…そんな言葉が向かう先には姫がいて、カラフ自身がいて、私もいました。
「生きるのです。どう生きるかなどではなく、生きていることなのです。天命にはそれぞれに与えられた使命があるのです。
要は、それに気づくかどうかだ」というカラフの言葉となっていきます。
「私には国がある」と言わしめ、クライマックスに向かっていく。
気恥ずかしい言い方ですが、大きな「愛」が、人の心を豊かにしていくのでしょう。
人間には再生力があるのです。ひとを想う、思われる愛に包まれて。

台湾の歌姫といわれるアーメイの素晴らしい歌唱!吸い込まれるように聞き入りました。
生でのオーケストラ(特別編成)演奏のまた嬉しいこと!

国が再生されているのです。トゥーランドットもカラフの人生もです。

いっきに明るくカラフルな舞台に一変します。
踊る、舞う、歌う。音楽や衣装にもアジアンムードがあふれ、それは国を挙げてのお祝いです。

大阪での最終公演日でした。

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