天売島の外周も焼尻島同様激しいアップダウンの道路だった。この日(6月27日)も空は晴れ渡り、全身に汗をいっぱいかきながらのサイクリングとなった。天売島はしかし、焼尻島ほど見どころはなかったように思われた。
小トリップ(ことりっぷ)最後の日である。
私は荷物をまとめ、宿に主人にフェリーターミナルまで送っていただき、そこでレンタサイクルを駆り、さっそく島内一周に出発した。
まずは島の守護神、「厳島神社」で最後まで旅が安全に完遂するよう祈願した。
続いて道路沿いにあるはずの「天売高校」を探したが見つからない。周りに人がいなく聞くこともできなかったが、ようやく通りかかった人に「ちょっと奥まったところにあります」と助言をいただき見つけることができた。
高校は夜間定時制ということで閑散としていた。聞いた話では生徒数は8名で、全員が3年間での卒業を目ざしているということだった。
※ ちょっと時代を感じる木造の校舎である。
高校から少し行ったところに「天売小中学校」があった。こちらは平成17年に小中併置校になるさい校舎を新築したとのことで、高校とは違い真新しい校舎だった。
小中学校の道路向かいに「天売郵便局」があり、マップには「天売到着証明書が入手できる」とあったので、小休止も兼ねて寄ってみた。葉書の切手代で自宅に送付できるという。自分あてに「天売郵便局来局証明書」を送ってもらうことにした。
※ 葉書には「本日、あなたは日本有数の『海鳥の楽園』天売島に上陸し、天売郵便局に来局されたことを証明します」とあった。
天売島は前日のウトウ観察ガイドによると人口が348人と言っていた。やはり徐々に人口は減っているとのことだ。道路沿いにも廃家となった家をところどころで見ることができた。
やがて人家がまったく見えなくなり、赤岩灯台に向かっての厳しい上り坂になった。
遠くの高いところに、目ざす「赤岩灯台」が小さく見える。
どのくらい厳しい上り坂なのか写真に撮ったが、私の実感としてはもっと急のように思えたのだが…。そんな坂で無理することはない。私は自転車をずーーーっと押して上ったのだった。(その距離約3キロとか?)
※ ずーっと遠くの丘の上に小さな白い点を見つけられるだろうか?目ざす赤岩灯台である。
※ この坂道、かなりの勾配です。
何度も休みながら上っていると眼前に灯台が見えた。目ざしていた「赤岩灯台」である。前日夜にウトウの帰巣風景を観察に来たところだ。
あたりにはウトウが掘った巣穴が無数にあったが、それはとても奇妙な風景だった。
しかし、そのように見えるところは巣穴全体から見ると実は少数で、ほとんどはイタドリの群落が生い茂る下に作られているとのことだ。イタドリが生長していない春先はそれら全てが見渡せる、とガイドが話していた。
※ 灯台の手前の道路上に白い点々が目立ちます。ウトウの糞だと思われます。
※ この光景は一見異様ですよね。
※ このイタドリの群落の下に無数のウトウの巣穴があるとのことです。
赤岩の展望台からは、「赤岩」はもちろんのこと、日本海を望む素晴らしい景色を望むことができた。
※ 天売島の海岸風景を象徴する赤岩の奇岩です。「赤岩展望台」から眼下に見えます。
(コースはここで島を半周したことになる。後編にて残り半周分の様子をレポートする。)