講師の周倩(シュウセイ)氏は、中国人旅行者が日本で「爆買い」しているのは、けっして中国人の中産階級ではない、と強く否定します。しかし、聞いている私からしたら単なる言葉遊びのような気がしたのだが…。
北大メディア・コミュニケーション研究院主催の公開講座「旅は東アジアを変えるか?」の第2講が10月13日(木)夜、開講された。
第2講は、「中国人の海外旅行とメディア利用~中産階級の訪日観光を事例に~」と題して中国人女性で北大助教の周倩(シュウセイ)という方が担当した。

周倩氏は講義の初めに次のようなスライドを提示した。
「爆買い」している中国人観光客 ≠ 中産階級
中国の中産階級 ⇒ 「爆体験」している
彼女は「中産階級」を研究対象としているという。その彼女によれば、中国の中産階級を規定するとき、収入・職業・学歴を総合的・客観的に見たとき、中国人のわずか3.2%しか中産階級に当たらないという。
ただし、主観的に「自分自身が中産階級」と認識している中国人は38.6%だという。

※ 周氏が示した客観的中産階級と主観的中産階級の間の差を図示したものです。
周氏に言わせると、「爆買い」をしているのは、中産階級の人より下の階級の中国人であり、真の中産階級の中国人は日本に観光に来ていろいろと体験(爆体験?)をしている、と主張するのだ。
周氏には、日本のメディアが中国の中産階級の人たちが日本に来て「爆買い」をしているという報道が我慢ならないのでは、と私には思えた。
周氏の話を聞いていた私は、中国人観光客が「爆買い」と称するような買い物をしていたということは事実であるのだから、その人たちが中産階級の人たちなのか、否かはそれほどの問題ではない、と思うのだ。
日本のメディアが来日中国人を「中産階級」と称したのは、中国では一定の収入、納税がなければ旅券申請ができないと聞く。つまり、それらの階層の人たちは中国の中でも中程度以上の階層である、ということから「中産階級」と称したと考えられる。

※ 中国人観光客の「爆買い」を象徴するような光景の一枚です。
私には、そうした言葉の定義より、講座のテーマである「旅は東アジアを変えるか?」という主題に対して、21世紀に入って俄かに増大した中国人の海外旅行ブームが東アジアにどのような影響があるのかについて、中国の側からの考察を聞きたかった思いである。
札幌においても中国系と思われる旅行客が非常に目立つようになってきた。その人たちが「爆買い」しているところも何度か目撃した体験がある。
しかし、その様相にも最近は変化がみられると報道は伝えている。そうした変化は過去の日本の海外旅行にも見られた傾向ではないだろうか?
それは、つまり団体旅行から個人旅行への変化の流れである。
中国人の観光客もそうした傾向が見られ始めているのかもしれない。周氏の話では、中国人の海外旅行者の数が年間1億人を突破したということだ。基礎人口の違う中国人が今後益々海外への旅行志向を高めていったとき、それは特に東アジアの国々に大きな影響を及ぼすと考えられる。
そうしたことへの影響とか、また文化的交流が何を生み出すのか、といった点について研究者的視点からの考察を伺いたいと思ったのだが…。
北大メディア・コミュニケーション研究院主催の公開講座「旅は東アジアを変えるか?」の第2講が10月13日(木)夜、開講された。
第2講は、「中国人の海外旅行とメディア利用~中産階級の訪日観光を事例に~」と題して中国人女性で北大助教の周倩(シュウセイ)という方が担当した。

周倩氏は講義の初めに次のようなスライドを提示した。
「爆買い」している中国人観光客 ≠ 中産階級
中国の中産階級 ⇒ 「爆体験」している
彼女は「中産階級」を研究対象としているという。その彼女によれば、中国の中産階級を規定するとき、収入・職業・学歴を総合的・客観的に見たとき、中国人のわずか3.2%しか中産階級に当たらないという。
ただし、主観的に「自分自身が中産階級」と認識している中国人は38.6%だという。

※ 周氏が示した客観的中産階級と主観的中産階級の間の差を図示したものです。
周氏に言わせると、「爆買い」をしているのは、中産階級の人より下の階級の中国人であり、真の中産階級の中国人は日本に観光に来ていろいろと体験(爆体験?)をしている、と主張するのだ。
周氏には、日本のメディアが中国の中産階級の人たちが日本に来て「爆買い」をしているという報道が我慢ならないのでは、と私には思えた。
周氏の話を聞いていた私は、中国人観光客が「爆買い」と称するような買い物をしていたということは事実であるのだから、その人たちが中産階級の人たちなのか、否かはそれほどの問題ではない、と思うのだ。
日本のメディアが来日中国人を「中産階級」と称したのは、中国では一定の収入、納税がなければ旅券申請ができないと聞く。つまり、それらの階層の人たちは中国の中でも中程度以上の階層である、ということから「中産階級」と称したと考えられる。

※ 中国人観光客の「爆買い」を象徴するような光景の一枚です。
私には、そうした言葉の定義より、講座のテーマである「旅は東アジアを変えるか?」という主題に対して、21世紀に入って俄かに増大した中国人の海外旅行ブームが東アジアにどのような影響があるのかについて、中国の側からの考察を聞きたかった思いである。
札幌においても中国系と思われる旅行客が非常に目立つようになってきた。その人たちが「爆買い」しているところも何度か目撃した体験がある。
しかし、その様相にも最近は変化がみられると報道は伝えている。そうした変化は過去の日本の海外旅行にも見られた傾向ではないだろうか?
それは、つまり団体旅行から個人旅行への変化の流れである。
中国人の観光客もそうした傾向が見られ始めているのかもしれない。周氏の話では、中国人の海外旅行者の数が年間1億人を突破したということだ。基礎人口の違う中国人が今後益々海外への旅行志向を高めていったとき、それは特に東アジアの国々に大きな影響を及ぼすと考えられる。
そうしたことへの影響とか、また文化的交流が何を生み出すのか、といった点について研究者的視点からの考察を伺いたいと思ったのだが…。