氷瀑巡りのフィナーレとして念願の「モイチャン滝」に向かった。しかし滝に近づくにはV字形に切り込んだ谷底深くに降りねばならず、オイチャンには危険すぎて近づけなかった。私は遠くから「モイチャン滝」の氷瀑を眺めたのだった…。
朝起きると、空は晴れ太陽さえも顔を出していた。昨日の疲れが残っていたものの、絶好のコンディションを逃すことはできない。朝早くはなかったが恵庭渓谷へ向かった。
木精橋から伸びた林道入口は事前のリサーチも十分だったので、割合簡単に見つけることができた。
※ 「木精橋」の袂には先行者の車が2台駐車していました。
※ 左の橋が「木精橋」です。前方には車止めのゲートが。しかし、車の走った跡がありました。
入口には2台の先行者の車が駐車していた。入口には車止めのゲートがあったが、その先にも車が通った跡があったが、関係者が入っているのかな?と思われた。我々一般人は先行者も含めて徒歩で向かわねばならなかった。林道は時々除雪がされているようで、ツボ足で十分歩ける程度だった。
歩き始めて7~8経った頃、先方に車が2台駐車していた。近づいてみると、警察の関係車両だった。「えっ?警察がどうして?」、「何か事故でもあったのかな?」と思われたが、その疑問は先に行ってみると解決した。
※ すると前方に警察関係車両が駐車していました。
氷柱群
警察車両が駐車しているところからは、ツボ足の跡が付いているだけのところを辿って、林道を先へ急いだ。林道の左側は深く切り込んだ谷になっていて眼下にモイチャン川の細い流れが見えた。一方右側は高く鋭い崖が頭上に聳えていた。つまり深く切り込んだ谷の中間に林道を造成したようだ。スタートしてから14~5分経った頃、右側の崖に大きな氷柱が現れた。それは崖の隙間から滲み出る水が凍って作られたものと思われる。私が「モイチャン滝」へ行こうと思った理由の一つにこの氷柱を見ることがあった。
氷柱はさらに林道を上がったところにも現れた。一方、林道には大きな氷の塊が転がってもいた。それは氷柱が成長しすぎて自重で落ちたものと思われた。
※ 林道には以下のような氷柱群が見られました。
※ 林道上に写真のような氷の塊が転がっていました。
※ この崖の途中から氷柱が転がり落ちたものと思われます。
錦糸の滝
モイチャン滝に至る前に、谷の向こう側に「錦糸の滝」が見えるはずだった。その位置がどの辺りなのか詳しい情報はなかった。ただ、先行者の足跡が林道から谷川に大きく張り出した跡があったので、私もそこで懸命に向かいの谷を凝視したが滝らしきものは認めることができなかった。あるいは滝自体が細い流れだということなので、遠くから認めるのは難しいのかな?と思われた。
※ まったく滝らしいものを見出すことができませんでした。
モイチャン滝
林道は続いていた。徐々に、徐々に傾斜がきつくなってきた。歩き始めて40分くらい経過したときだった。突然足跡が先方に見当たらなくなり、右側の崖下の方に続いていた。そこを覗いてみると、私から見るとまるで真下に落ちるような崖であった。そこに見えたのは足跡ではなく、まるで滑り落ちたような跡だった。そして遠くから男たちの叫び声のような話声が聞こえてきた。よく見ると崖の最も低いところに12~3人の人影が見えた。とてもオイチャン(お爺ちゃん)が降りて行ける崖ではない。実は先行者のブログを拝見していて、私が「モイチャン滝」に近づくことは難しいと思っていたので、潔く諦めることにした。それにしてももっと「モイチャン滝」を見てみたいと、足跡のなくなった林道をさらに上へと上がった。すると林間越しに「モイチャン滝」の氷瀑を見ることができた。そこではなんと数人の人がアイスクライミングに挑戦していた。それで先の警察車両の存在の謎が解けた気がした。つまり、警察関係者はこの日「モイチャン滝」の氷瀑を利用してアイスクライミングの訓練をしていたのではないか、と…。つまり、山中での事故などに備えての訓練に励んでいたと思われる。私たちの知らないところで、仕事とはいえ市民の安全のために励まれていることに感謝したい。
私は遠くから「モイチャン滝」の氷瀑を確かめ、この日の行動を終えることにした。
※ こうした足跡を辿って、徐々に、徐々に傾斜を上っていきました。
※ 先への足跡がなくなってしまいました。
※ 谷底を見ると、12~3人の人たちが見えました。
※ 望遠を精一杯引っ張って、写真真ん中付近で氷瀑を登っている人が見えます。
※ 上下2枚の写真は、モイチャン滝の全貌を写したものです。
夏の滝巡り
今シーズン、今日まで「氷瀑巡り」を続けてきたが、それを続けるうちに「夏に同じところの滝巡りをするのも悪くないなぁ」との思いがもたげてきた。夏と冬の滝の様子を写した写真を併置してみるのもいいなぁ、と考えている。体調さえ許せばぜひ実現したいと考えている。