大学生たちが興味ある冬のくらしを豊かにするアイデアを次々とプレゼンテーションした。それを専門家たちが審査するというコンテストに立ち会うことができた。そしてその結果は?
一昨日(2月29日)午後、札幌市民交流プラザにおいて「(一社)北海道開発技術センター」主催の「冬のくらしアイデアコンテスト」が開催され参加した。
コンテストは「北海道開発技術センター」が設立40周年を記念して全国の高専生・大学生・大学院生を対象として「北海道における持続可能な冬の暮らし」についてのアイデアを募集したところ31件の応募があったそうだ。
その31件を第一次審査で5件にまで絞り、今回関係者や一般市民を前に発表し、その中から優秀なアイデアを表彰するというものだった。
今回、第一次審査を通過し、発表したテーマ & チームは…、(氏名は省略します)
◆「愉雪の巡い(ゆうせつのうつろい)」 札幌市立大学
◆「ゆきんこお野菜冬畑」 北海道商科大学
◆「第五の公営競技「競雪(けいせつ)」 北海道大学大学院
◆「Snow Safety Stick」 茨城工業高等専門学校
◆「幻想的な空間で個別映画館~movie in ice~」 大阪大学、大阪経済大学
以上5チームが持ち時間12分の中でプレゼンテーションを展開した。
審査員は、①高野伸栄北大工学研究院教授を委員長として、②柿崎恒美北海道開発局長、③宮口宏夫北海道新聞社々長、④鈴井貴之クリエイティブオフィスCUE会長(タレント)、⑤倉内公嘉北海道開発技術センター理事長、以上そうそうたる各界の権威が顔をそろえた。
各チームの発表の後、審査員からの質問コーナーがあったが鈴井審査員が積極的に質問されていたのが印象的だった。
※ コンテストのプレゼンテーションの様子です。(写真は札幌市立大学です)
各チームの発表が終わり、審査員が合議する時間を利用しての弦楽四重奏によるミュージックタイムが設けられていた。ミニコンサートと銘打ってはいたが、いずれもが札幌交響楽団の団員、あるいは元団員という構成の本格的なコンサートだったので、このことについてのレポは別項で投稿することにしたい。
ということで、 ミニコンサートの後に審査結果の発表となった。
その結果は…、
◆最優秀賞 「愉雪の巡い」 札幌市立大学
◆優秀賞 「第五の公営競技『競雪(けいせつ)』」 北海道大学大学院
◆優秀賞 「Snow Safety Stick」 茨城工業高等専門学校
となった。最優秀賞となった札幌市立大学の「愉雪の巡い」は、デザイン学科の学生らしく、雪が融ける様子を芸術的に見せる(魅せる)ことを提案したものだった。テーマ名も含めて雪が融ける様を一種の芸術に見立てたところが審査員の心証を得たようである。私の評価とはやや違った結果となった。
優秀賞の二つのチームの提案は、私も高く評価したアイデアであったが、北海道大学大学院の「第五の公営競技『競雪』」は、ロボットを使用して雪山を取り除くことを競技化し、それを公営競馬ならぬ公営競雪として、公営ギャンブル化しようという学生らしい突飛な提案が興味深かった。
また、茨城高専の「Snow Safety Stick」は、歩きにくい雪道を歩く際に、Stickの先にセンサーを取り付けて滑りやすい箇所をいち早く歩行者に知らせる装置を提案した。提案した茨城高専は試作品まで用意して健闘したが、その有効性が今一つ審査員に伝わりづらかったようだ。
※ 見事最優秀賞に輝いた札幌市立大学のお二人です。賞金30万円を獲得しました。
最終審査に残った5つのチームは、それぞれが雪国の暮らしに対する課題を意識し、その課題解決策を提示してくれた。こうしたコンテストはなかなか面白い試みと思えた。主催の「北海道開発技術センター」は今回限りのコンテストと言われたが、できればこうした催しを何らかの形で継続させてほしいものである。