街中にはドラッグストアが目立ち、薬のみならずサプリメントなどが気軽に入手できる状況である。しかし、そこに危険が潜んでいるとも聞く。薬の効用、薬害などについて薬剤師からお話を聞いた。
3月6日(水)午後、西区民センターで開講された「市民健康教育講座」に参加した。西区の講座に参加するのは2度目である。今回のテーマは「薬と薬害」と題して、東洋薬局八軒の薬剤師:東洋慶武氏からお話を聞いた。
《医療用医薬品とOTC医薬品》
東洋氏はまず、医薬品には「医療用医薬品」と「OTC医薬品」の2種類があること話された。
「医療用医薬品」は医師が処方する薬であり、「OTC医薬品」とは自分の意思で購入できる医薬品で市販薬などと称されている。
「OTC医薬品」はさらに4つに分類されており、「要指導薬品」、「第一類」、「第二類」、「第三類」と分類されており、「要指導薬品」、「第一類」は販売する際に薬剤師が書面でもって必要な情報を提供しなければならないこととなっているそうだ。
なお、「OTC」とは、Over The Counter(カウンター越し)にいただく医薬品の頭文字を取った名称だということだ。
《薬の服用》
薬を服用する場合に「食前」、「食後」、「食間」という指示が明示されているが、「食前」、「食後」については説明の要もないと思うが、「食間」とは食事後2時間後が目途ということだ。他に「頓服」なついては発作時、あるいは症状が強い時に直ちに服用することが肝要とのことだった。
《ポリファーマシー》
ポリファーマシーとは、多く薬を飲んでいることにより、薬の相互作用や飲み間違い・飲み忘れ等により正しく薬を飲めなくなることなどから引き起こされる有害現象のことだという。
東洋氏からは次のような注意点が述べられた。それは「健康食品、サプリメントの過剰摂取は中毒症状を招く恐れがある」とのことで、薬剤師に相談することが肝要であると述べられた。
また、決められた用量を守らずに過剰摂取することを「オーバードーズ」と称するが、これも危険なことなので要注意とのことである。
さらに「自己判断で服用(特に医療用薬品)を中止することは症状の悪化や副作用の出現の原因となる」ので、これも医師や薬剤師に相談してほしいとのことだった。
《薬の組み合わせの不適例》
薬を組み合わせて服用した場合、思わぬ副作用や効果が減じられるケースがあるという。残念ながら講師の説明が早く、全てをメモすることができずメモができた分だけ紹介する。
🔳「風邪薬」+「栄養剤」 🔳「風邪薬」+「葛根湯」 🔳「便秘薬」+「総合胃腸薬」
🔳「便秘薬」+「制酸薬」、「乳製品」 🔳「抗菌薬」+「制酸薬」、「総合胃腸薬」
🔳「風邪薬」+「咳止め」 🔳「風邪薬」+「痛み止め」etc. …
実に多くの薬の組み合わせの不都合があるようだ。不安な場合は必ず薬剤師に相談することが肝要とのアドバイスをいただいた。
《その他の留意点》
高齢になると、複数の薬を引用しなければならないケースが増えてくる。6種類以上の薬を服用すると副作用が心配される。特に高齢者は副作用が出る可能性が高いという。
病気を快癒するために服用する薬が害になるようでは本末転倒である。複数の診療科、複数の病院にかかっている場合などは、医師や薬剤師に迷わず相談することが大切なことを学んだ。