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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

移植医療、がん治療の現在、そして未来

2024-08-11 21:17:38 | 講演・講義・フォーラム等
 医療の世界の日進月歩は著しいとはよく聞くことである。特にガン治療の世界は目覚ましい進歩が伝えられている。特に移植医療、がん治療の世界はそのことが顕著だという。そうした医療の現在地を聴いた。

 昨日(8月10日)午後、北大クラーク会館において北大第二外科講座100周年記念の公開講座に参加してみた。
 年齢のせいだろうか?振り返ってみると、昨年ころからこうした医療講座に参加することが多くなっていることに気が付く。やはり知らず知らずのうちに己の身体の老化を意識しているということだろう。
 さて、今回の講座であるが三つの講演と座談会から成っていた。その内容を記すと…、
《第1部 移植医療、がん治療・未来の外科医教育》    
◇「肺がん手術の未来と北海道で待望の肺移植に向けて」   加藤 達哉
◇「最新、消化器難治がん治療:手術と他治療の合わせ技」  平野  聡
◇「未来を切り拓く:手術支援ロボットによる
                              遠隔手術と手術教育の新たな展開」   海老原裕磨                 ※ 講師はいずれも北大第二外科の教授陣です。
《第2部 移植医療の実際や問題に関する討論》
◇「心臓移植・命をつなぐ」                若狭  哲                          
◇座談会
 と内容は多彩であり、内容的にも専門的なこともあり十分に咀嚼できない部分もあり、
 会場が暗くメモすることもできなかったことから印象的だったことがらのみをレポすることにしたい。
 講演会についてまず第一は、肺にしても、心臓にしても、移植する場合はドナー提供者の存在が必要なのだが、我が国ではまだまだ提供者が少ないのが課題であるとのことだった。我が国ではドナーが現れるまで待機する期間が非常に長くなっているという。
 肺の移植については、両親の肺の一部を移植するのが最善の方法だそうだが、北海道内においてはまだ実現していないという。この肺の移植を北海道において一日も早く実現したいということだ。
 続いて、消化器系の手術をする際、開腹手術ではなく体に負担の少ない「腹腔鏡手術」が主流となっていたが、最近は「手術支援ロボット(ex. ダヴィンチ)を使用することが流れとなっているそうだ。ダヴィンチは手術を担当する医師も楽であり、手術の確実性が高まっているそうだ。さらに、若手の医師への技術の継承の手段としても優れているそうだ。

         
         ※ 手術支援ロボット「ダヴィンチ」です。  

 座談会は、医療キャスターとして活躍している松本裕子さんの司会で、「植込み型補助心臓」の移植に関わった医師やスタッフ、患者が登壇して体験談を語り合った。
 この座談会の特色は、「植込み型補助心臓」を実際に埋め込んだ患者だった方が登壇し、その体験を語ってくれたことだ。患者の方は「拡張型心筋症」と診断され、次第に症状が酷くなったことから、北大病院にて「植込み型補助心臓」の埋め込み手術をし、現在は仕事(教員)にも復帰されている方だった。私が理解できなかったのは、患者の方が「ドナーさんと二人分の命を生きたい」と語ったことだ。帰宅して調べてみても、「植込み型補助心臓」の場合は生体を移植するとは出ていなかったのだが…。
 いずれにしても、登壇された医師、医療スタッフの方々は万全の体制で手術に臨まれていることを理解することができた。
 私の理解力は十分ではなかったが、我が国における臓器移植の技術は着々と向上していることは理解できた。ただ、前述したように臓器を提供するドナーの数が必要数に対して決定的に不足しているようだ。今後は国民の理解度をいかに向上させていくかが大きな課題のようである。