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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

再度大腸がんについて学ぶ

2024-08-18 19:16:53 | 講演・講義・フォーラム等
 大腸がんの罹患率は今や最も高く、死亡率も肺がんに続いて多いという。しかし、早期発見により死亡に至らずに済むこともあるという。早期発見、そしてその治療方法の進歩を聴いた。

     

 大腸がんに関しては、5月、6月にも関連のお話を伺っていたが、今回もまた大腸がんに関する講座を受講する機会を得た。
昨日、直木賞作家の河崎秋子さんの講演を聴いたその足で、札幌市医師会館で開催された「家庭医学講座」を受講した。この講座は今回で実に328回目だという。
 今回のテーマと講師は…、
 ◆「体に優しい大腸がん外科治療」と題して札幌厚生病院副院長の本間重紀氏
 ◆「もう大腸がんは怖くない」と題して斗南病院消化器センター長の住吉徹哉氏
が担当された。
 お二人のお話はほぼ同じような内容だと私は受け止めたので、お二人のお話をまとめた形でレポすることにする。
 大腸がんの発生には二つの経路があるという。一つは腺腫という腫瘍ががん化する経路。そしてもう一つが正常な粘膜から直接がんが発生する経路。
があるそうだ。
 そして大腸がんが発生する部位の7割はS字結腸や直腸に発生するという。つまり1.5~2.0mもある長い大腸の最後半(3/4以降)の部位で発生することが多いそうだ。

    
 罹患率、死亡率についてはリード文でも触れたとおりだが、大腸がんは40歳以降から徐々に増加し、70歳以降では急激な上昇カーブを描くほど罹患率、死亡率が高くなる病気である。また全国的に見て北海道の罹患率、死亡率共に高い方に位置するとのことだった。

    
 さて、どのようながんでも言えることであるが、がんで死亡することを回避するためには何より「早期発見・早期治療」が肝心である。大腸がんを早期発見するためには「がん検診」を受けることだと強調された。
 「がん検診」の代表的検診方法は「便潜血検査」である。その潜血検査でも「2日法」がエラーが少ないという統計が出ているという。この検査により60%の大腸がん死亡リスクの減少が見られたとの統計も存在するようだ。
 「便潜血検査」で陽性を指摘されたら、精密検査(内視鏡検査)を受けることが必要である。内視鏡検査で異常が発見されなければ問題ないが、もし大腸内に腫瘍などが見られた場合は、「内視鏡的ポリープ切除」(EMR)という方法で腫瘍を取り除くことができるそうだ。
 しかし、EMRでは除去できないような大きな腫瘍には「内視鏡的粘膜下層剥離術」(ESD)という方法で除去する方法がとられるそうだ。
 というように「早期発見・早期治療」により大腸がんは以前よりは怖い病気ではないということだが、生活習慣を見直すことによって大腸がんに罹るリスクを低下させることができことが知られている。その生活習慣の改善とは、まず「喫煙・飲酒」の習慣を改めることが肝要であるという。さらに「肥満」も要注意で、反対に「運動」を習慣化することが大切と説かれた。
 このことは大腸がんだけではなく、これまでさまざまな講座を受講する中、老化に伴うさまざまな病気の予防の第一歩であることを改めて教わった思いだった。