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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

寒地土木研究所 一般公開を覗いてみた

2022-07-11 18:26:18 | イベント

 「寒地土木研究所」が地域住民に対して一般公開すると聞いて、学校の文化祭的な催しなのかな?と思いながら興味本位で出かけてみたのだが、なんとなんと大真面目!研究所の技術者たちの研究の一端を広くPRする場だった…。

          

 「道北の旅を振り返る」シリーズは、まだ「青い池」とか、TV番組「北の国から」の聖地巡りのレポが終わっていないが、旅から帰ってきてから体験したことが2~3あるので、そちらを先にレポすることにした。

   

    ※ 寒地土木研究所の正面です。

   

 7月8日(金)~9日(土)の両日、豊平区平岸にある国立研究開発法人「寒地土木研究所」が一般公開すると知って、第1日目の8日、開会時の10時に出かけてみた。私は前述したように学校の文化祭的ノリで開催されるのではと気軽な気持ちで赴いたのだが、思惑とは違い、真面目な公開行事といった印象だった。公開された研究の成果は、研究チーム毎に15のブース(テント)に分かれて、それぞれが研究の現状について公開しているものだった。その15の研究チームとは…、

 ①寒地構造、②寒地地盤、③防災地質、④耐寒材料、⑤寒地道路保全、⑥寒地河川、⑦水環境保全、⑧寒冷沿岸域、⑨水産土木、⑩寒地交通、⑪雪氷、⑫資源保全、⑬水利基盤、⑭寒地機械技術、⑮地域景観、といった研究チームが公開していたが、さすがに北海道にあって “寒地土木” を研究するところである。“寒地” に関連する研究が目を惹いた。

 テントを1~2覗いてみて、思惑と違いかなり専門的な知識を持っていないと相手にもされないような雰囲気を感じ、ちょっと引いてしまったのだが、幸い開会直後とあって来場者が少なかったことで、私のような素人でも相手にしてくれるところが多かった。   

 そうした中、一応全体を見て回ったのだが、私が特に印象的だったものについてレポしたい。その一つが「寒地地盤」における泥炭性の軟弱基盤に関する研究だった。北国、特に北海道では寒冷地のために植物が分解しないまま堆積する傾向が強く、泥炭層が多いそうだ。ところが泥炭層は地盤が軟弱なため道路などを建設する際に対策を取らないと地盤沈下を招くために、杭を打ち込むなどの対策を取らねばならないということだった。

 また「寒冷地沿岸」の研究チームは、地震の際の津波対策ついて単なる津波の対策だけではなく、流氷を伴った津波に襲われた場合、その被害が甚大となるための対策を研究中だということだった。

   

   ※ 水中の様子を探るための水中ドローンだそうです。(私にとっては初お目見えの機材でした)

 次に「水産土木」の研究チームでは、近年は魚の漁獲量が減少傾向にあり、最近では港内に施設を設けて “養殖” に取り組むために、どのような施設を港内に設置するのが良いかという研究を進めているとのことだった。

   

   ※ こちらも本物を初めて目にした3Dプリンターです。

   

  ※ 実際に3Dプリンターで制作したものです。手前の白い小さなものでも製作時間が2~3時間かかるようです。

 まだまだ興味ある話をたくさん聞いたが、その中でも「へぇ~」と思ったのは、「地域景観」を研究するチームのことだった。つまり単に災害に強い、あるいは生産性の高い土木の研究をするばかりでなく、景観や地域の魅力を高める研究をしているチームの存在が珍しく思った。例えば道路際に設置する各種のポールの色を景観に溶け込むような色の選択を考えるようなことを研究しているとのことだった。さらには電線類を地中に埋めることのメリットを積極的に発信しているとも語っていた。

   

   ※ こちらは試作品ですが、川中に自動で入っていきポンプアップするための機器です。

 北海道が寒冷地であるがゆえに、本州各地では考えられないデメリットに対して、それを克服するために様々な研究をされていることを少しは理解することができた一般公開だった。

 



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