毎年、年初めに楽しませてもらっている「高校演劇Special Day」が二日間にわたって開催された。今年度の北海道高校演劇大会で優秀な成績を収めた網走南が丘高校と札幌北斗高校の二つの高校演劇部の舞台を楽しませてもらった。
1月11日と12日の二日間にわたって、道立道民活動センターのかでるホールで開催された「高校演劇Special Day」の舞台を観劇した。今年は11日に北海道大会で優秀賞を獲得した札幌北斗高校演劇部の「イチゴスプーン」と、12日に同じく最優秀賞に輝いた網走南が丘高校演劇部の「スパイスカレー」の二つの舞台を観劇した。
札幌北斗高校の「イチゴスプーン」は、いわゆる学園コメディといった趣きの舞台だった。教室では目立たない三人組が部活の部室(茶道室)では活き活きと立ちまわるというストーリーである。随所に客席を沸かせるギャグが挿入されていたのだが、時代に取り残された感のあるお爺ちゃんにはイマイチその意味が解しかねるところがあり、「イチゴスプーン」の舞台の良さや面白さを感得できなかったところが残念だった。
※ 札幌北斗高校演劇部の舞台です。(プログラムから)
一方、網走南が丘高校の「スパイスカレー」はかなりシリアスな内容を伴ったストーリーだった。事前に配布されたプログラムによると、同校演劇部が19年前に「チキン・カレー」という作品で全国大会初出場を果たしたときのオマージュ作品だそうだ。少女の純粋さ、子どもには理解できない大人の事情の狭間でストーリーは展開する。その狭間を埋めたのが急逝してしまった祖母のスパイスカレーのレシピだった。
※ 網走南が丘高校演劇部の舞台です。(同じくプログラムから)
南ヶ丘高校が最優秀賞、北斗高校が優秀賞ということだったが、私から見ても順当な結果だったかな?と思えた二つの高校の舞台だった。両校は、今年それぞれ時期や場所は違うが全国の舞台で演じる機会が与えられたという。健闘を期待したい。
ところで私はこの「高校演劇Special Day」やそのほかの高校演劇を観劇した際にいつもも触れるのだが、私のような観劇の初心者には高校演劇が一番フィットしているように感ずる。それは脚本が複雑化したものではない、というところに起因しているように思える。札幌市内で活動する一般の劇団の舞台も何度か観劇したことがあるのだが、どうもストーリーが複雑化しているように感じて感情移入できないところがある。さらには観劇料がけっこう高額であることもネックとなっている。この「高校演劇Special Day」は札幌演劇シーズンの一環として行われているのだが1ステージ500円と格安である。一方、一般の方は3,000円から4,000円なのだ。まあ、それだけレベルが違うということも言えるのだが…。
ということで、私のような者には一般の劇団はお呼びでないということのようだ。私はこれからも高校演劇を追いかけ続けたいと思っている…。