何故か私はフォルクローレの音色に魅かれるところがある。あの哀愁を帯びた音色がインディオたちの厳しい生活を思い出させるのだ。その音色に浸りたくて、ライブハウスに足を運んだ…。
過日(5月10日)、札幌在住のフォルクローレ奏者岡田浩安さんのコンサートを聴いたときに、岡田さんがライブハウスに出演することを知った。そのライブで19日(日)夜、岡田さんが出演すると知って、中央区の北4条西28丁目にあるLive & Dining JAMUSICAに駆け付けた。
※ 店の入口には今夜のライブゲスト名が表示されていました。
※ ライブ開始前のステージです。
ところが私のことである、ライブの内容をよく承知していなかった。というのもライブ名は「Arbol y Viento with 岡田浩安」となっていた。つまりライブの主役は岡田さんではなく、Arbol y Vient(アルボリビエント)という関西を中心に活動している二人組のライブに岡田さんが賛助出演するという形だったのだ。Arbol y Vientは確かに勝野勉がケーナやサンポーニャを奏で、正木良久がギターを奏でるフォルクローレのデュオである。そこに岡田さんはケーナ、サンポーニャはもちろんのこと、ギターやチャランゴで加勢したライブだった。
※ 演奏する三人の奏者たちです。左から岡田、勝野、正木の各氏です。
例によって、私は演奏された曲名をメモしたのだが、はっきりと聞き取れなかったところもあり、かなり妖しいのでArbol y Vientのファンからお叱りを受けるかもしれないが、私の記憶にとどめる為にも曲名を記すことにする。
〈1〉ハカデノマウス
〈2〉五月の風
〈3〉天色の紫陽花
〈4〉カーニバル
〈5〉ダニーボーイ
〈6〉雲列車
(休 憩)
〈7〉ウェラティ
〈8〉ブルーウインドウ
〈9〉小さなオルゴール
〈10〉足跡
〈11〉北の大地
〈12〉トウモロコシリーグ
《アンコール》
〈13〉コンドルは飛んでいく
※ Arbol y Vientのリーダー格で、ケーナを演奏する勝野勉さんです。
曲名を眺めてみて、あるいはフォルクローレファンの方であればお気づきになるかもしれないが、そのほとんどはArbol y Vientのオリジナルだった。そのためだろうか?確かにケーナやサンポーニャで演奏はしているものの、音のテイストが私が知っているフォルクローレからはやや離れた音だったように思えてならなかった。事実、彼らArbol y Vientはフォルクローレだけに止まらず、アイリッシュやジャズのハーモニーも取り入れながら曲づくりをしていると公言していた。アンコールに演奏したフォルクローレの名曲「コンドルは飛んでいく」もオリジナルではなく、彼ら風にアレンジされたものであった。その点では、私が期待したフォルクローレを楽しむという点においてやや期待外れの感は否めなかったが、それでも随所にフォルクローレのテイストが感じられ、それなりに楽しむことができたライブだった。
※ Arbol y Vientのギタリスト正木良日久さんです。
私にはフォルクローレそのものをもっと楽しみたいという思いがある。岡田さんの場合は(私はまだ彼のライブを2度ほどしか経験していないが)、フォルクローレのもつテイストを大切にしようとする姿勢がうかがえるし、フォルクローレそのものの音を楽しむことができると思っている。幸い岡田さんは札幌を中心に活躍されている方である。今後も岡田さんの演奏を楽しむ機会がきっと何度もあると思われる。岡田浩安さんのフォルクローレを今後も楽しみたい。
※ サンポーニャを演奏する賛助出演した岡田浩安さんです。