「何を今さら…」と嘲笑されそうだが、私は今池井戸潤の作品にどっぷりと嵌まっている。おそらく多くの池井戸ファンはずーっと以前に彼の作品をむさぼり読んでいるはずだ。それを遅まきながら、今私がやっているのだ。
※ 池井戸潤氏の近影です。
先日、文庫本で750ページもある池井戸潤作「陸王」を二晩寝ずに読み切った。(昼に寝ていたが…)その前の「七つの会議」もやはり寝ずに読み切ってしまった。
もちろんその前に彼の代表作である「半沢直樹」シリーズの「オレたちバブル入行組」、「オレたち花のバブル組」、「ロスジェネの逆襲」、「銀翼のイカロス」が私の池井戸潤ワールドに魅了される入口だった。
続いては、これもテレビで話題となった「下町ロケット」シリーズの「下町ロケット」、「下町ロケット ガウディ計画」、「下町ロケット ゴースト」、「下町ロケット ヤタガラス」を立て続けに読了した。
なんで池井戸に嵌まったのか?振り返ってみた。するとそのキッカケは3月に観た映画池井戸潤原作の「シャイロックの子供たち」だったなぁ、と思い出している。巧みなストーリ展開、いかにもありそうな銀行内部の人間模様、胸をスカッとさせてくれる終末の描き方を観て、改めて池井戸潤に興味を抱いたのがそのキッカケだったように思う。
そのことがキッカケとなって「池井戸潤を読んでみよう!」思い立ち、久しぶりに図書館利用が始まった。
池井戸本がなぜエンターテイメント小説として多くの人に支持されるのか、ちょっと考えてみた。それは先にも触れたように、巧みなストーリ展開、いかにもありそうな業界内部の人間模様、胸をスカッとさせてくれる終末の描き方、etc.…つまりエンターテイメント小説として求められている要素がふんだんなく盛り込まれていることだと思う。
「半澤直樹」シリーズなどは、彼のやり方に反旗をあげた輩には終末で完膚なきまでに叩きのめすところなどは、読者をスカッとさせるに十分である。
彼は2011年、「下町ロケット」で直木賞を受賞しているが、それ以前も候補に何度か挙がっていたが、彼の作品は「文学性に乏しい」という理由で受賞できなかったという。池井戸はそのことをあまり気にしていなかったようだ。つまり彼は「痛快で単純に読者に楽しんでもらう」ことに主眼をおいていたという。ただ、最近は少し傾向が変わりつつあるともいうが…。
今、私は池井戸潤に嵌まっているが、これがいつまで続くか分からない。私は典型的な熱しやすく冷めやすい人間だと自己分析しているからだ。食べ物然り、読書然り…。あれだけ夢中になっていた「丸亀製麺」も遠い昔の出来事といった感じである。これまでの読書遍歴も思い出すだけで何人もの作家を渡り歩いてきた。いつ池井戸潤から離れてしまうか自分でも皆目分からない。まあ、離れることはなりゆきに任せ、それまでは嵌まり続けたいと思っている。
「陸王」と「七つの会議」を読み終えた私は、続いて今図書館に「空飛ぶタイヤ」上・下、そして「アキラとあきら」上・下を予約している。夜を徹することなどしないようにしながら池井戸潤ワールドに浸りたい。
名前だけは知ってましたが、こういうお顔だったのか。
淀川長治さんの若い頃かと思った……。
そんな風に縁のなかった池井戸潤氏ですが、先週から始まったドラマ「はやぶさ消防団」の原作が、同氏の作品みたいです。
主演の中村倫也が好きで見始めたのですが、エンドロールを見て原作者を知りました。
ドラマと田舎おじさん様のご紹介を縁に、本も読んでみようかなあ……なんて思っています。
でもどのような感想を持たれるのか興味があります。一冊読んでみて、感想を聞かせてくださいな。