「すずめ」と聞いて、野鳥のスズメを連想したのだが、とんだ勘違いだった。東日本大震災をモチーフとした、ある意味で奇想天外なアニメーション映画だった。新海誠監督の才能が余すところなく発揮された映画を堪能した。
※ タイトルにナンバーリングを付けているが、この数字は私が2007年に札幌に転居後〈つまり退職後〉に観た映画の通算の映画の数である。「映画は最高のエンターテイメント」と考える私にとって、これからも有料・無料にかかわらずできるだけ映画を観ていこうと思っている。
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5月2日、遅ればせながら(2022/11/11公開)シネマフロンティア札幌に足を運び話題の映画を観た。話題と表現したがもちろん日本でも公開時には大変話題となったようだが、私は最近のニュースで、中国で大人気となっていると伝え聞き、「どんな映画なの?」と気になって観てみることにしたのだ。
予備知識をあまり持たずに観たのだが、まずは美しい画面に魅了された。画面の美しさは新海監督制作の「君の名は。」の時にも感じたが、新海監督の得意分野の一つなのかもしれない。
ストーリーの方は「君の名は。」と同様に我々世代には「あれっ?あれっ?」という感じなのだが、若い感性には十分に受け入れられているようだ。ただ、私のような者でもその展開の速さにぐいぐいと画面に惹き付けられた。そして映画中盤になってようやく「あゝ、3.11をモチーフとした映画なのだ」と気づかせてくれたのだった。
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“すずめ” はスズメではなく、主人公の岩戸鈴芽(すずめ)の名であり、“戸締り” は大地を揺るがす(大地震を引き起こす)ミミズの暴走を防ぐために、ミミズがこの世に出てこられないように “戸締り” をするために鈴芽と鈴芽が密かに惹かれる草太の二人で全国を飛び回るという内容である、とお爺は理解した。
ストーリーは我々シニア世代から見ると奇想天外にも思うのだが、新海監督には未だ人知の及ばぬ地震というものに対して、監督が空想する新海ワールドを描いてみたいという欲求が、こうした映画を創造するエネルギーとなっているのだろうと思われる。
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ストーリーの解釈は置いておいても、そのスケール感、スピード感、そして画面の美しさは十分に観客を魅了するものであり、私も画面に惹き付けられた。中国においても大ヒットしたという理由が分かるように気がした。こうなると、新海監督に次作にも期待したい思いが強くなった。