田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 スタンド・バイ・ミー №312

2021-06-07 18:25:42 | 映画観賞・感想

 映画を観た多くの人たちが郷愁に誘われたという名作「Stand by me」。さて、私にとっての「Stand by me」は何だったろうか?そんな思いを抱きながら懐かしき名作を見入った私だった…。

       

 映画人にとっては由々しきことなのだが、世の中がコロナ禍に陥ってから私はすっかりテレビで放送される映画を観ることが映画観賞の主流となってしまった。一日も早く心配なく映画館の大スクリーンで映画が楽しめる日が還ってきてほしいと願っているのだが…。

 その映画観賞はCMが入らない、そして日本語吹替えのないB Sプレミアムの放送と決めていた。ところが先月5月28日(金)NTV系で「Stand by me」が放送されることを知った。私は懐かしさに駆られ禁を破り観賞することにした。

 映画は主人公である作家のゴーディが、遠き日に親友だった友の早すぎる死を知り、彼や仲間と過ごした忘れもしない夏の思い出を振り返ったのが本作である。

 ゴーディ―とは、本作の原作者であるスティーヴン・キングのことだと云われている。その夏の思い出とは?アメリカ・オレゴン州の人口が2,000人にも満たない小さな片田舎で暮らすいたずら盛りな12歳の少年たちの小さな冒険を描いたものである。

   

 私は「Stand by me」という題名が気になっていた。直訳的には「私の傍にいて」という意味になるのだが、そのことが映画の内容と直接結びつくか? と問われると、???である。困った時の私は安易ではあるが、直ぐにネットで検索してみた。すると、原作の題名はもともと「THE BODY」という題名だったようだ。ところが映画監督であるロブ・ライナーは、ベン・E・キングが歌っていた「Stand by me」にインスパイアされて、映画の題名としても「Stand by me」を採用したそうだ。ベンが歌う「Stand by me」では、「私が正しいということを信じて 私を支持して 私を応援して」という意味で歌っているそうだ。

 つまり、コーディーは小さな冒険の中で、4人のリーダー格だったクリスから「お前は作家になれる素質があるから俺たちのようなグループとは付き合わず進学コースを目指せ」と激励されるのだ。また、コーディーもクリスは悪ぶっているが責任感が強く、リーダシップのあるクリスを信頼していた。それに、テディとバーンという個性的な4人が繰り広げる小さな冒険(冒険の内容については映画をご覧ください)は、12歳の少年たちにとっては刺激に満ちたものだった。しかし、冒険が終わると4人はそれぞれ別れて、別々の道を歩むことになる。         

 そのようにひと夏の体験を作家スティーヴン・キングは振り返り、一つの物語として結実させたのだが、そこにはかけがえのない貴重な体験をし、友との素晴らしい絆を築いたというスティーヴン・キングの甘酸っぱい思い出が彼の中を占めているようだ。

 そうしたことを思いながら映画を観ていた私は、「さて、私にとってのStand by meは何だったんだろうか?と思い返しながら映画に見入っていた。私の12歳の頃には彼らのような明確な心躍らせるような冒険噺はない。

        

 私にとって “敢えて” ということで思い出せば、それは年齢的にはもっと後となる高校2年生、年齢にして16歳の時か。私は高校1年生の後輩と二人で道東地方を一週間で巡る自転車旅行をしたことが思い浮かぶ。当時、道東の国道はまだ舗装されていない砂利道だった。一日に何度もパンクするタイヤを修理しながらの自転車旅行だった。自転車はもちろんごくごく普通の実用車である。ユースホテルなどを泊まり歩きながらの旅だったが、ある日予定が大きくずれて困惑していた時に小さな集落で思いがけなく「泊っていけ」と勧められて見知らぬ家に泊めていただいたこともあった。

 そのときの後輩とは今でも付き合いがあるが、エピソードとしてコーディーのような人生を左右するほどの体験はなかった。ただ、私のその後の旅のスタイルはあるいはこの旅で培われたのではないか、との思いを強くする。

 「Stand by me」…、それは誰にとっても、形は違えども有り得る少年時代の甘酸っぱい思い出に包まれた貴重な体験なのではないだろうか…。

                 

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。