この本を知ったのはインスタグラムで紹介されていたからだ。
よく好きで見ているサイトがあって、その中にも見られるのが
野良猫野良犬の悲惨な姿の動画で
足蹴にして通り過ぎていく人もあれば
まるで居ないかのように無視する人の中で
そういう動物を保護する人がいる。
今はテレビでも、そういう番組があって
動物好きである我が家はよく見る番組のひとつでもあった。
作者新藤冬樹氏は確かまだ読んだことがないような気がする。
どんな小説家なのか、若いころから闇金融の世界で働いていたこともあって
その経歴を生かし裏社会の話や純愛小説などをも手掛けて
まさに裏と表を使い分けてる作家さんのようで
動物物なども手掛けて、興味をそそられる作家さんでもあった。
この「168時間の奇跡」は、保護犬施設を営んでいる主人公の話で
主人公には以前金融業で働いており
その関係でまだ小さい一匹の子犬を死なせてしまったことから始まる。
その事で金融業を辞めて、まるで罪滅ぼしのように
保護した犬の面倒を見て、新しい家族を探してあげる事。
飼い主に捨てられ、あるいは高齢のために飼えなくなったとか
人間にはいろんな事情があるだろうけど、その犠牲になるのはペットたちで
最後まで面倒を見れないなら飼うべきではないし
人間の都合で捨てられたペットたちは保健所に集められて
168時間後には殺処分されてしまう。
168時間、たったの7日間で何の罪のないペットたちが処分されてしまうのだ。
だから保護団体はそういう犬を引き取ったり、野良になった犬を保護したり
愛情を持って次の家庭が見つかるまでお世話をしている。
東日本大災害でも多くのペットたちが家族と離れて
棲む場所もなく野良犬となってしまったが
その多くは保護団体に保護されて新しい家族を元へと引き取られたという。
しかし、そんな犬だけではなく
保護施設で新しい家族と出会えないまま亡くなったり
譲渡会で引き取りたい人が本当に犬を幸せに出来るのか
とてもできそうもないと思われた人が意外とそうではなかったことなどなど…。
また、ペットショップで売れ残った犬などの末路は
悪徳ブリーダーに研究材料として売られたり
一つの檻の中に何匹もの犬が押し込まれて
傷ついたり死んだりしている犬は捨てられて
そんな悪徳ブリーダーとの闘いなども書かれた
思い付きの軽い気持ちでペットを飼う人間たちへ知ってほしい真実が書いてあった本だった。
昔…我が家のチョビが脱走してしまい
家から2~30分くらい離れた住宅地で保護された時
首輪に付けていた鑑札から自宅へと電話があったのは3日後くらいで
慌てて保健所に行って、今は抑留所にいると
1日2700円くらいだったか、3日分の金額支払い
抑留所に迎えに行ったことがあった。
コンクリートの犬舎だったが、中はきれいに掃除をされており
何匹かの犬が保護されていた。
多分檻が分かれているのは保護されてからの日数であろうか
キャンキャン騒がしい檻と段々と鳴かない檻へと移っていく。
一番端っこの犬は鳴きもせずにジッとしているだけで
きっと本能で分かるのかなあ…抑留所の人は
美味しい餌もあげてるんですけど食べないんですよって言葉が
心の奥底に残っている。
気を取り直してチョビを見つけて名前を呼んだ。
すると檻にへばりつく様に早く出してと言わんばかりに。
さっそく出してもらい車に乗せて帰って来たけど
あそこは二度と行きたくはないと思った。
保険所を通して保護された犬を引き取ることも出来る様なのだが
あの檻の順番を待つ様子を見たら
あの中から1匹だけを選ぶことなんかできないと思った。