あちこちで桜の便りが聞かれ、ようやく会津でも桜の花が咲き始めた。
つい先だって蕾だと思っていたのが、あっという間に花開き
この数日の寒さ逆戻りの寒さに、風も強く
桜の花を堪能する前に散ってしまわないといいけど…。
主治医曰く、何度も誤嚥性肺炎を起して
いつ肺炎を起こしてもおかしくない状態になっていると
もう胃瘻にする時期だと、しかも少しでも早くした方が
体力を使い切ってしまわないうちに…。
胃瘻造設処置をしていただいた。
今は開腹手術はしなくて内視鏡を使う胃瘻カテーテルなので
時間も短く済むし、開腹手術と違って体への負担は少ないようだ。
ただ、胃瘻にしたからと言って、誤嚥性肺炎が起こらないわけではなく
誤嚥は唾液でも起こり得る事だから、100%安全とは言えないけど
起こる危険性はずっと少なくはなると言われる。
誤嚥性肺炎の繰り返しで激痩せしてしまった夫を見ると
これで少しは復活してくれたらと言う思いもあり
その後順調に回復して、先日も胃瘻からの食事で
テレビで野球を見ていらっしゃいましたよって
看護師さんの言葉に安堵した。
体調も安定して、もう病院での生活も終わり
胃瘻の人でも対応できる老人保健施設、いわゆる老健ってとこで
そこで特別養護老人ホームの順番が来るのを待つ事となり
病院との生活に別れを告げた。
夫にとって久しぶりに普通の生活できる…。
始終レンタルのパジャマの生活ではなく
寝る時には家から持ってきたパジャマで就寝
朝起きたら洋服に着替えて…食事と
いつも誰かが見ていてくれる、声をかけてくれる
みんな同じような人がたくさん居て
家に居る時のように一人でいなくてはならない事もなく
きっと楽しい事がいっぱいあると思う。
そこは市内の外れにある大きな建物で
たくさんの方が生活しておられる。
夫のような人もいれば、まだまだお元気な方もおられて
いろんなイベントがあり職員さんの数も多く
明るくて広々としてパンフレットには
生活されている方々の笑顔。
老健だからいつまでもいられるわけではないのだけど
行き先が決らないうちは退所ですって事はありませんと
安心して医療型のホームが決まるまでいられる。
入所する時の激ヤセの顔が、最近は手を振ってくれたり
慣れて来られたのですね、と担当の相談員さん談。
先日洗濯物の交換に行った時に
職員さんに写真を撮ってもらって来た。
人懐こい近くまで来ても逃げないカラスと桜並木
気持ちふっくらしたような気がする。
十分に栄養が取れるようになったのだと
コロナで面会は出来ないけど安心して帰って来た。
人はそれでも家に帰りたいって思うのだろうけど
忘れる事が多くなっても、毎日が楽しく安全で暮らせる。
きっと、きっとだけど、それが夫にとって一番良い事なんじゃないかな。
場所こそ違うけど楽しく生活が出来たらそれでいいって
介護を放棄した私の言い訳かもしれないけど…。
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