晴れた日は目が痛くなるくらい眩しい。
ヒメさまの最近は耳が遠くなって
目もよく見えてるんだかいないんだかのヒメ
私の車が車庫に入れる時、のそのそと小屋の中から出て来る。
いつも運転席側から顔を出して、ヒメがいるかどうか確認するのだけど
ヒメ~どいて!!と声をかけても車の前をウロウロ
見えたり見えにくかったりで、終いにはクラクションを鳴らす。
ホントに危ないんだから…ヒメさまは。
ヒメは去年15歳になった。
だから人間年齢で換算すると78歳くらいかなあ。
この日に限って、私の車は前進で車庫入れしていた。
夕方忙しくって、ついついバックで入れるのが面倒で
今にして思えば、なんで前進で入ってしまったのかと悔やまれる。
朝、サクぼんが集団登校の集合場所に遅れそうだからって
車で送って行く為に、車を出して温めて置こうと
バックでそろりそろりと車庫から出たのだけど
やっぱり音を聞きつけてヒメが小屋から出て来て
うろうろし始めるので、ヒメ、危ないよって
何度も声をかけてジリジリとバックしていく。
ちょうどヒメの居る所が死角になって姿は見えないけど
ゆっくりバックしているから避けてるよなって思っていた。
途中小屋の入り口に敷いておいたグレーチングかな?
それに乗りあげちゃったかガコンと。
突然ヒメが吼え始める。
どうしたって、車から降りて見ると
ヒメの後ろ足がコタコタになってて
その時はもうキャンキャンと鳴いていた。
傍に駆け寄って…足骨折しちゃったんだろうなと思った。
複雑骨折かもしれない!!
何で避けなかったんだって手をかけたら
痛さの為に手に噛みついて来た。
痛いなんて感じる余裕もなく大丈夫かって
声をかけたけどヒンヒン鳴いてる。
とにかく家に入ってかけるものを持って来て
獣医師に…まだ始まってる時間ではなく
とにかく休診日でなくて良かった!
私のバカバカ!!なんで前進で駐車しちゃっんだ!
ヒメが車の辺りをウロウロしてるのは知っていたはずなのに
ヒメを轢いてしまった!!!
頭からすっぽりと包んであげると安心するみたい。
取りあえずバスタオルで包んで車の乗せて…
こういう時救急で診てくれる所があればいいのに!
切実に思った。
気が揉めながらも、小一時間待って
開院時間よりちょっと早いけど
いつもの動物病院の先生…時間より少しくらい早くたって
ちゃんと診てくれる。
先生、ヒメ轢いちゃった、診てくださいと
ヒメを抱きかかえて病院へ入って行った。
どうしたんですかと言うので、朝の様子を話して
その間にもヒメは痛いのと怖いのとで
隙を見れば齧って来るので
バスタオルで頭をすっぽりと包んで診てもらった。
レントゲンを撮るので押さえててもらっていいですかって
ヒメを抱きかかえて台の上にあげて
腰の辺りのレントゲンを何枚か。
左の股関節が脱臼してますって
取りあえず骨折はなくてホッとしたけど
レントゲンを見ると、股関節からきれいにクリッと外れれて
途中で引っかかってると痛むのだけど
どうします? 麻酔をかけて脱臼したのを戻しますか?
ただ、年齢も高齢なので麻酔をかけるのにリスクがあると。
それに脱臼は元に戻しても外れやすくなるのだそうだ。
どうしますって聞かれても…。
先生がこれがヒメにとって一番いいんじゃないかなって方法で
それでいいですからお願いしますと。
それしかないもんね、命に別状はないものの。
脱臼はこのままにしておきましょう!
ビッコを引くか、または三本足しか使えなくなるかは
判断は付かないけど、脱臼の痛みは2~3日でなくなるはずだと。
それを聞いて傷つけてしまった心の痛みが
ヒシヒシと感じる…障害犬にしてしまった。
その後、注射と痛み止めをもらって帰って来た。
ヒメはヒンヒン鳴いてる。
まずはもらって来た痛み止めを飲ませて
小屋にいろいろ敷いてくれて寝せてあげたら
奥の方に入って、やっぱりヒンヒン鳴いている。
せめて寒くないようにと湯たんぽを入れて
ああ~ホントごめんよ~胸が痛くなるほどの加害者意識!
朝早くに一回、午前中に一回、夕方近くに一回、深夜に一回と
湯たんぽのお湯を入れ替えて
餌も少しでも食べて元気を出してほしいと願いながら
ちょっと高めの餌をあげて…歩けるようになるんだろうか(~_~;)
それでもオシッコは外でしたがる。
ビッコは引いているが軽く足は付けられるみたい!
小屋の奥でおしっこしてしまったり
敷いてあげたタオルとか毛布汚れて
小屋の内部に少しでも暖かいようにって
奥の方でグシャグシャでどうしたもんかと。
そうだ、ハタッと思いだした!
ヒメさまご幼少の折にケージに入れて家に中に置いてたじゃないの!
そのケージ車庫の二階にあるはずと、行ってみたらまだシッカリとしてて
分解してコンパクトに縛ってあるので、下に持って来てバラシて組み立てる。
汚れもなく犬小屋より大きくて、これだったら入っていられそう。
一番下に新聞紙を厚めに敷いて
その上に半分にバスタオルとか毛布とかを敷いて
手前にはトイレシートみたいなのを敷いて
寒くないように周りをビニールのシートで包み
その上から大きいカバーをカバーをかけた。
かなり暖かい感じがする。
湯たんぽにくっ付いて寝てる。
キャスターが付いているから
晴れの日は日当たりの良い所へと移動できる。
広い場所に出して、よくヒメの足を見ると
脱臼してない方の足にキズがあって
けっこう深い…このままでは仕方ないと
再度動物病院へと!
その後の様子も診てもらいたかったし。
ヒメさま二度目の病院
傷が圧迫されたのか褥瘡が出来てるって。
褥瘡部分の周りの毛を丁寧にバリカンで剃り
傷口に軟膏を塗った。
その日、抗生物質を含有する外用薬軟膏と化膿止めの飲み薬をもらい
もう脱臼の痛みはないはずだからと帰って来た。
飲み薬は比較的楽に飲んでくれるのだが
軟膏は嫌がるというか怯えるので
キャンキャンと噛みつきそうになるのを
ハッシ!と首輪を押さえて、傷にたっぷりと塗ってあげる。
そして晴れて暖かい日には、少しでも傷を圧迫しないようにと
外に出してあげると、なんとか脱臼した方の足も地面に軽くだけど着けられ
ビッコを引きながら、ヨタヨタと歩き外でおしっこをし
また小汚くなった小屋の中へ戻ろうとする。
ビッコを引きながら…頑張れ!!
物心ついてから、あの犬小屋で寝起きしていたので
無理からぬことではあるのだけど
当分はいつも清潔にしておけるケージ病室で我慢してもらおうと思っている。
だって加害者だもん。ごめんねヒメ。