あんな話こんな話

会津生まれの会津育ち…三匹の猫と柴ワンコや家族に囲まれ、家庭菜園に勤しみ都会には住めそうにないローカルな私の日常。

チョビ 特別編 【そのⅠ 脱走】

2005-05-21 07:16:11 | ペット
チョビの状態は相変わらずの日々を送っている。
良くもならず・・・かと言って悪くならず、微妙な所でバランスを保っているのだろうか?

そんなチョビを、よく頑張って長生きしてくれてると思う。
話に聞いたところによれば、大型犬の寿命は小型犬よりも短いと言う。
あの日あの時、ひょっとしたらあの時点でチョビの寿命は終わっていたかもしれない・・・。

あれは・・・確かチョビを我が家に迎えて3~4年した、まだ血気盛んな頃だったと記憶している。
私と主人が近所の友達と一泊旅行へ出かけている間に脱走した事があった。
家族への土産物をしこたま買いこんで意気揚揚と私達夫婦は我が家へ帰ったのだが
そこには、行方不明になったチョビとそれを探す子供達。
その日、落ち着く間もなく探したけれどチョビは見つからなかった・・・。

1日たち2日たちして、諦めかけたところ一本の電話が鳴った。
「お宅の犬が捕獲されましたので引き取りに来てください」それは保健所からだった。
話によれば、我が家から2キロほど離れた民家の軒下にあるウサギ小屋を覗いてたそうだ。
吠えないしおとなしそうな犬だったが、なんせ あの図体!
しかもあの長毛、ライオン犬の異名を持っているチョビだ。
さぞかしその家の住人も不気味に思い保健所に連絡したに違いないと踏んでいる。

さっそく保健所に出向いて、まずは始末書のようなものを書かせられた。
そして保管料・・・と言うべきか、保護料と言ったら良いのか?
あの当時3日分として、定かではないが5~6千円ほど払ったような気がする。
チョビはその保健所にはいなかった・・・。
ちょっと人里離れた、例えれば・・・留置所のような所に何匹かの犬と捕獲されていた。

そこは、こじんまりとしたコンクリート造りの場所で同じような塀に囲まれ
木々の繁った夏場は涼しげな場所となるであろう寂しげな所であった。

そこへ入ると左手に管理人室があって、犬を引き取りにきた旨を伝えるとその場所に案内された。
やはりコンクリートのたたきに何個かの檻にし切られ、その真ん中辺りの檻にチョビはいた。
私たちを見つけるや否や、早く出してくれと言わんばかりにクンクンと鳴いた。
でも、私と娘は、その光景を忘れることは出来なかった・・・。

一種異様な雰囲気とでも言うのだろうか!

確かにそこはきれいにされていて、餌も多分に我が家で与えていた餌よりも良いものをもらっていた。
餌を与えたばかりかもしれないが、どの犬も食べた様子はなかった・・・。
この先にある自分の運命を本能的に感じ取っているのであろうか
最後のほうに捕獲されていた犬はキャンキャンと鳴き叫び
そのうちに吠えなくなってくる・・・そして次の日を迎えた犬の目はうつろだった。

その先はどうしても書けない!!

ただ知って欲しい。
犬達に何の罪もない事を!
母親から生まれたときは、母親の愛を一心に受けて思う存分に温かいお乳をお腹いっぱいに飲んでた。
可愛いペットとして愛でられた時もあったに違いない・・・。
どこで間違ってここにいるんだろうと理解できてはいなかった・・・。
ただ、その日を来るのを、引き取り手が現われない以上待ってるしかなかった。

チョビは幸運な犬だったに違いない。
幸いにも首輪に鑑札をつけておいたので連絡がついた。

今日もとあるスーパーにダンボールの箱に無造作に入れられた子猫がいた。
覗きこむ人達の目に怯えながらも精一杯の愛嬌を振りまこうとしているのか
あの弱々しげな声が耳から離れない。

差し出す手がなければ、そのうちにスーパーからの連絡で保健所の職員がやってくる事だろう・・・。
コメント (2)
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