あのD-45オタクの彼の目にかなったものである。それはすごい音であろう。彼の表現では「ガラスを割ったような音」と表現している。とても気に入っており彼自身の最も大事でかけがえのないギターとなった。それは数度にわたる買い替えの旅を経てようやく手に入れた逸品なのである。そこまでいうと「いくらぐらい?」と知りたくなる。言わないほうがいいであろう。ただ目安にはならないが一番高い値札がつくものでは1968年製のD-45は今国内では400万円以上の値がつく。彼が手に入れたD-45の話を彼からよく聞いた。「このような逸品は今後もずっと生き続け残っていくのだが、これは自分の所有物というよりもむしろ今この時代において自分はこのギターの管理人でしかない。以後はだれかの所有になるのであろうが、その人もただの管理人に過ぎない」と奇しくも加藤一彦が1968年製のD-45を所有した時に言った言葉と同じであった。いいものに出会った者の思いは同じなのであろう。