もちろんストーブ当番は火の管理ということで定期的にコークスをくべなければならず、したがって寒い冬にストーブの一番近いところを独占できたのである。これは役得である。クラスには色々な当番や委員があった。そのほとんどがつまらなく面倒くさい雑用係に等しい当番ばかりであった。しかしストーブ当番は、火熾しの上手いやつにとってはとても楽しみであり、自分の技術の披露の場でもあったので、なり手はあとをたたなかったのである。時代の流れとともにコークスによるストーブはなくなっていった。石油ストーブになっていったのである。あれは誰がやっても同じであり火熾しの技術をもつものは自分の技術の見せ所がなくなったので寂しくなったのである。自分もそうである。今でも当時のストーブと器材があれば、それこそ芸術的な流れで真っ赤なコークスをつくることができる自信がある。まあ世の中CO2を排出するエネルギーはよくないという方向にあるのでやむをえないのであろう。報道で「コークスという・・・」との表現を聞いてああもう一般的ではないのかと少々寂しい気がした。<o:p></o:p>