吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

顔の傷痕 その1

2014年10月16日 05時45分49秒 | インポート

   子供の顔のケガで時に縫合が必要になることがある。顔の部位としては皮膚の下がすぐ骨である頬やまゆ毛の部分であるが、ここは傷がパックリと割れて開きやすい所である。もちろんテープなどで傷を寄せて張り合わせ治癒するまで7~10日ほどそっとしておいてもよいのである。しかし子供では「そっと」傷口を管理することは難しい。おとなしくない子では、数日後にはテープが剥がされて結局は「創部の安静」が保てず傷は瘢痕治癒して残ることになる。したがって縫合したほうが傷の安静が保て、結果的に傷痕はきれいになりやすいのである。しかし親御さんの反応は複雑である。「では、傷は縫いましょうね」というと「え~縫うのですか・・」とがっかりされ、逆にリスクを伴うのであるが「テープ固定にしましょう」というと「あ~、軽くてよかった」と安堵されるのである。これは間違いである。処置の種類如何で傷の軽重を判断するのは正しくない。その後の創の経過で判断いただきたいのであるが、なかなかご理解はいただけていない。<o:p></o:p>