<o:p> 傷が数日後、化膿するかどうかは、なんとなく傷口の状態をみたり、あるいは受傷機転や受傷原因を聞いたりすることにて大よそ見当がつくようになった。前述の動物の噛み創は感染しやすさとしてはトップであろう。また顔や頭のケガでは思ったよりも感染は多くなさそうである。これは組織への血流豊富なところは止血に難渋することはあってもその後の感染は少ないようである。これは血流が豊富イコール白血球の遊走が潤沢であり、このことが細菌感染を抑えてくれるのだと理解している。若かりし頃、外国の文献を読んでいたら、感染しやすい受傷形態のところに動物の噛み創に続いて「human bite」と記載されていた。えっ? ン? 人間の噛み創・・・なんじゃこれは?と思っていたが、その直後の病院当直である夜のことであった。前額部に噛み創のある妙齢の女性が来院された。みると噛まれたというよりも歯が刺さったような創であった。