大昔、1級建築士であるA氏による耐震設計疑惑事件があった。必要な鉄骨の数をへらして設計図を作成し建築費を浮かせるという疑いがもたれた事件である。建築基準を下回る設計であったのでこれは当時のルール違反と言わざるを得ない。当時、国会喚問までなされた大事件になっていた。マスメディアの追及も強烈であり彼の私生活まで糾弾したのを覚えている。マスメディアのいつものような被疑者の徹底糾弾は熾烈を極め、その論調に乗っかった専門家(同業者?)のコメンテイターも、まさにガンガンと徹底追及したことを覚えている。そのためかどうかは知らないが奥様は自殺されたようだ。確か当時、彼が設計した基準以下の建築物で建築中のものはすべて取り壊されてやり直しになったのである。新規建築中のホテルの社長は、この建築中止に追い込まれたことでホテル業中断はもちろんのこと、倒産に追い込まれたことに怒りを表わしていた。<o:p></o:p>