吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

高ウイルス血症 その3

2014年10月31日 06時36分30秒 | インポート

    ということで、最近の脅威であるエボラ出血熱も、潜伏期の長さの違いこそあれ、発病した時の「高ウイルス血症」の症状は同じなのであろう。この間、日本にもエボラ感染者が入国したと騒ぎになったが、症状が発熱、倦怠感、頭痛くらいだと確かに風邪なんだかエボラなんだか分かりはしない。このウイルス血症に伴う症状(発熱、倦怠感、筋肉痛など)をエボラを引っかけるためのスクリーニング項目にするにはなんら役にも立たないような気がするが、しかしそれはやむを得ないだろう。もっとも蔓延国からの帰国者と限定して絞り込めばもう少し精度が上がるかもしれないが、それにしてもウイルス性疾患の初期症状はほとんど共通しているので、精密検査のモダリティーをもたない市井の開業医では手も足も出ないのである。外来をしていて高い熱が出たと言って来院する患者は多い。しかしその他の症状を聞いて「え~と、あとは頭痛と筋肉痛と腰が痛いですね」といわれても「だからそれがどうした」と言いたくなるのである。<o:p></o:p>