吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

高ウイルス血症 その2

2014年10月30日 06時18分44秒 | インポート

   昔、教科書に急性肝炎の症状で初期症状のところに「感冒様症状」と書いてあった。当時はこれの意味がわからなかった。のちに理解したがこの症状はまさにウイルスが体内に侵入した直後の生体の反応なのである。つまり前述の高熱、全身倦怠感、筋肉痛、頭痛などの症状なのである。これはHIV(所謂エイズウイルス)の研修を受けていたころにも学んだ。HIV感染直後は一時的にウイルスが増殖し血流中を回るためこのような「高ウイルス血症」症状が出現する。その後は7~8年なんら症状はなく次第に免疫不全状態に陥るのである。HIVに限らずどんなウイルスでも感染すると直後は身体の中でウイルスが増殖するため、大抵この症状が出現するようだ。考えてみれば風邪でも、インフルエンザでも、ウイルス性胃腸炎でも、急性ウイルス性肝炎でもHIVでも、ウイルス感染初期の症状は共通しているのである。<o:p></o:p>